しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

2020-01-01から1年間の記事一覧

Tochka Nisshi

安物のウェブカメラが届く。マイクも内蔵されている。常用しているデスクトップPCにつなげる。これでZoom会議のたびにMacbookを開かなくて済む。だが試してみると、妙に雑音が交じるらしい。カメラ機能そのものは必要十分なのだけれど、内蔵マイクはやはり安…

Tochka Nisshi

先輩研究員が出した避難所感染拡大レポートが好評で、読売新聞、朝日新聞、NHKに取り上げられている。よかった。 *** 起きる。窓を開ける。ゴミをまとめる。洗面所の排水溝を掃除する。ゴミを出す。ポストに郵便が届いている。李静和先生からのご献本だっ…

Tochka Nisshi

片付ける場所がそろそろ無くなってきた。 トーチカ生活が始まっておよそ1ヶ月になる。出勤しない、週に2,3度の食料品買い物の他はできるだけ部屋から出ないということで、自宅を少しでも快適にしようという方向に体が差し向けられる。1年前に引っ越してち…

Tochka Nisshi

まちを出歩くひとの数が少しずつ増えている気がする。そりゃそうなるよなぁとおもう。 以下は印象論に過ぎないけれど、この国では有権者も政治リーダーも科学的な対応ということを一般的に好まないのではなかろうか。ここで言う科学的な対応とは、「Aをした…

続刊を待っているコミック

個人的に続刊を待っているコミックをならべてみる。 鉄板 ダンジョン飯 8巻 (ハルタコミックス) 作者:九井 諒子 発売日: 2019/09/14 メディア: コミック もはや「ファンタジー+食」というジャンルすら拓いてしまった感がある。 宝石の国(10) (アフタヌーンK…

Tochka Nisshi

注文していた棚が届く。組み立てる。机の横に置く。机の周りがだいぶ整理されて広くなる。うれしい。 買い物のために外に出ると、歩き方がよくわからなくなる。身体動作としての「歩行」はできているのだけれど、街を歩いているということ自体に奇妙さを感じ…

Tochka Nisshi

48時間で外出15分。だんだんゲームみたいになっている。 混んでいる時間帯を避けようと思い、少し遅くにスーパーに行ったら、こんごは20時で閉店という掲示が入り口に出ていて回れ右した。コンビニも朝6時から午前1時までの営業だという。社会がどんどん縮こ…

Tochka Nisshi

新しい論文の結論部分を書き始める。ちょっとゴリゴリに書きすぎかなぁとおもう。 共著論文の査読結果が返ってくる。 読んだもの: 続・対話の場をデザインする -安全な社会をつくるために必要なこと 作者:八木絵香 発売日: 2019/04/22 メディア: 単行本(ソ…

Tochka Nisshi

在宅勤務を開始したときに立てた4月末までの目標を確認してみる。 学会発表の原稿2本 ⇒◎2本とも投稿できた! 内部の研究会発表(遠隔でやります)の原稿1本 ⇒◎発表できた! 研究計画提出1本 ⇒◎提出できた! 体重を2キロ落とす ⇒○いったん3キロ落ちて、ま…

Tochka Nisshi

23時45分ぎりぎりぐらいまで粘って、論文を投稿した。 共著者とLINEでああでもないこうでもないと話しながら原稿をいじっているのが楽しかった。 「自警団」が少しずつ市中に増えているのかもしれないとおもう。 脳がそのように起動してしまうひとびとがいる…

Tochka Nisshi

投稿論文を2本仕上げにかかる。 ここ最近、5,6年前からの宿題への答えをちょっとだけ提出できたということが続いて、なんとも充実感がある。 店舗名を公表されていた大阪のパチンコ店が一店、休業した。これは真に恐ろしいことだ。緊急時の私権の制限とい…

避難所開設での感染を防ぐための事前準備チェックリスト

人と防災未来センター主任研究員の高原耕平です。 このたびセンターの臨時レポートとして、「避難所開設での感染を防ぐための事前準備チェックリスト(簡易版、手引き版)」が公表されました。 感染拡大下で従来型の避難所を立ち上げるとクラスター化する危…

Tochka Nisshi

一日中WordとSlackをぽちゃかりぽちゃかりと打っていた。同僚とLINEで相談しながら字を入力していると、めっちゃキーボードの音聞こえてくるねと笑われた。パンデミックは自然災害か。そうではないと答えるひとが多いだろう。ではウイルスは「自然」に入ると…

Tochka Nisshi

この72時間で外出1回15分の新記録を達成して、ちょっとテンションが高まっている。 そして外出すると何をどう感じたらいいのかわからず、とりあえず歩いているという事実に新鮮さを感じる。 この2週間ほど、街をゆきかう人々の「構成」が変わっているように…

Tochka Nisshi

寝室のカーテンの隙間から入った街灯の光が回折して不思議な模様を壁につくっていた。(カーテンが透けているのではなく、数センチの一つのスリットが光の筋を何本もつくっているのです)

Tochka Nisshi

体重が3キロ落ちていた。在宅勤務開始時の目標の一つを達成してしまった。 歩かないので足の筋肉が落ちたらしい。 一日中論文を書いている。準備していたメモをちまちまつなげてゆく作業が楽しい。これから少しずつ文章を乾かしてゆかねばならない。 仕事の…

Tochka Nisshi

午前中、有給休暇を取って献血に行った。 帰りに三宮の地下街を通った。飲食店がおおかた閉店していて、街がすこしずつ傷んでいるとおもった。震災のときは、たいへんだけど開店しよう、開店しようという想いが感じ取れた。いまは逆で、食事は作れるけれど閉…

Tochka Nisshi

作業と会議で一日が瞬く間に終わった。学会への投稿原稿に取り掛かる。質の高いものを出したい。 一日家にいて気づいたこと。 1)思った以上に体を動かさない。動いたとしても作業机と台所の往復ぐらい。職場にいるときは意外とせこせこフロアを歩いていた…

Tochka Nisshi

トーチカ日誌。独居だからトーチカというよりはタコツボだろうか。 プリンタのトナーを入れ替えると、キューに溜まっていた「ゴミの日カレンダー」PDFが印刷された。いまのところゴミ収集に遅れは無い。しかし三週間後はどうだろうか。改めて、じぶんの生活…

Nisshi

在宅勤務が本格化したので、こまめに日誌をつけてみることにする。 (きょうは土曜日なので正確には在宅「勤務」ではないのだけれど、これまで土日も職場で研究や書類仕事をしていたのが、それもできなくなってしまった。) 午前中、ひどく寒気を感じる。3…

粘る水

「国内で毎日500名が新型肺炎で亡くなるという状況が2週間後から始まる」ということを既定の事実として仕事をすること。もちろん、本当にそうなるかどうか、2週間後なのかどうか、わからない。わからないので、既定の事実だとする。そして仕事をする。 …

危機感と「正常性バイアス」

これから国内で生じうる出来事のパターンを絞ってみる。まったく即物的なやり方として、ただ今般の災厄の、国内の死者の数だけを考えることとする。 すると、出来事の取りうるパターンはとても少ない。 (1)今日を限りとしてたちどころに感染症が終息し、…

待つことについて

(これの続きです) 家族LINEで「おばあちゃんの血中酸素濃度がどんどん下がってる」と連絡が来た。会議を抜け出して病院に行った。 病院にはすでに父と二人の伯母がいた。祖母は浅い息を繰り返していた。顎を上げて、背中から胸を膨らませようとしていた。…

コロナとバブル

昨日まで1週間、調査のためアメリカにいた。 その間、故国における感染症の社会的状況は新しい段階に入っていた。 けさ、日用品の買い出しのためにスーパーに行くと、マスクとトイレットペーパーが売り切れだという張り紙があった。マスクはともかく、買い占…

災禍と理性

決断には2種類ある。 考え抜いた末に、事態に適う仕方で行う決断。 考え抜くことに耐えられなくなり、事態から逃走するために行う決断。 太平洋戦争の開戦は後者の「決断」だったのだろうとわたしは思っている。漠然とした不安のなかで合理的思考を積み重ね…

数字と災禍

死者を数字で捉え始めると、その事件は災害になっているのだなと今回の新型肺炎を見聞きしていておもう。「災害」と言うと日本語では自然災害のことになるので、より広い種類の事件を含むものとして、災禍という語をさしあたり使うことにする。 この点では、…

テレビ朝日の「阪神淡路大震災 取材映像アーカイブ」が公開されました

約38時間分、1970本だそうです。サイトを通じて上映するのであれば、非営利の研修や研究用では無償で利用できるとのこと(要事前連絡)。非常に貴重なデータベースです。テレビ朝日さんのご尽力・ご英断に感謝します。(人と防災未来センターも後援だそうな)…

書くことについて

文字とは元来、神秘をその凹凸や形状そのものにおいて凄烈に現す場であるか、もしくは呪いの意図がいったん滞留する場である。卜占においては文字は書き手なく現れる。呪いにおいては文字は読み手なく刻まれる。いずれの場合も、文字は激しい恐怖や畏怖の感…

拒む

災害に関連する「作品」に対する瞬発的な拒絶感のようなものがある。とりわけ、壁画、オペラ、合唱といった大掛かりなモノに対する否定的感覚がある。食わず嫌いというのか、中身を十分に検分しないまま、受け入れることを拒絶している。生理的な、という言…

何か別のものが

夜警たち。夜、部屋の電灯を消してゆくとき、暗くなった部屋にだれが責任をもつのだろうと思う。子供のころはよくそのことを考えた。この暗さという特権、夜の聖なる無音の享受、始原も終末もない闇の王権を、だれが引き受けているのだろうと。概念上の無は…