しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

2017-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ガラスのからだを持つひとびと

「誇大妄想をもち、たとえば自分が王様であると信じている人は今日でも見られる。自分の体がガラス製であると思い込んでいる人はもはや見られない。しかし初期近代には、〔ガラスや陶器で自分の体ができていると思っている〕ガラス人間や陶器人間は比較的一…

成年男性における〈うんこ教育〉の必要性

以前、学校で臆せずうんこに行くことを小学生男児に教えることの重要性を述べた。 【提言】小学校低学年における〈うんこ教育〉の必要性 - しずかなアンテナ きのう、このようなニュースがあった。 mainichi.jp すばらしい調査だ。みんなうんこ漏らしていた…

pixiv事件とフィールド系研究者の「やらかし」について

立命館大の「pixiv論文」事件、議論がわぁっと盛り上がっていて、すこし驚く。よくある話やな、という感覚で自分は見ていた。 この手の失敗・失態を、じぶんの周囲の業界?では、「やらかす」と表現する(日本全国で通じる表現なのか、関西弁なのかわからな…

インテリ誌の巻頭対談はなんであんなに喋れるのか

『現代思想』とか『理想』みたいな、トップレベルの研究者が競って投稿したり、寄稿依頼が来るとすごく嬉しくなるような文系カッコイイ系雑誌があって、そういう雑誌ではたいてい特集に関連した対談録が、雑誌巻頭(あるいは2つめくらい)に掲載されている…

アメリカ退役軍人省の「PTSD脳組織バンク」プロジェクト

なんとなくググっていたら、えげつないプロジェクトのサイトを見つけたので紹介する。 www.research.va.gov 大雑把にまとめると、PTSDを抱える退役軍人から脳組織を死後検体してもらい、将来の研究のために収集保管するプロジェクト。 以下、抄訳。 「退役軍…

子羊の掴まえ方(河合隼雄編『心理療法対話』より)

「 長谷川 西洋との違いということでは、私自身、面白い経験があります。以前、ヒツジの研究をスコットランドの沖合の無人島でやっていたのですが、そこでは、子ヒツジの成長を見るために一週間おきに捕まえて体重を測るんです。その捕まえるのがなかなか難…

研究室リソースの使い方

倫理学専修or臨床哲学研究室の学部生・院生のみなさまへ(とくに卒論・修論を書かなくちゃいけない方たちへ)。 この文章では、研究に必要なさまざまな「資源」の使い方を説明します。資源とは、書籍やプリンタやカメラなどの備品、図書館の論文取り寄せシス…

stomachacheは「胃痛」ではない(?)

以下は、最近3ヶ月在米していたパートナーから教えてもらった話。外国語学部出身で、英語のよくできる人である。 あるとき胃の不快感に悩まされ、薬局で「stomacacheに効く薬をくれ」と頼んだ。欲しかったのは日本でいう「胃薬」である。しかし出されるのは…

【提言】小学校低学年における〈うんこ教育〉の必要性

なぜ、小学生は、とくに男児は、小学校のトイレで「うんこ」をすることをあれほどまで忌避するのだろうか。あれはなんだったのだ。 小学生のとき、校内でうんこをするというのは、きわめて勇気のいることだった。誰にも見つかってはならなかった。わたし自身…

ケンタッキー州「中絶を受ける妊婦に胎児の超音波画像を見せる法案」の続報

yomu.hateblo.jp 米国ケンタッキー州で、中絶手術を受ける妊婦に、胎児の超音波画像を見せ、心音を聴かせることを強制する法案が提出されたというニュースが今年のはじめにあった。 上記エントリではこの法案があまりにグロテスクだと批判をこころみたが、そ…

声が詰まる。

なぜひとは、うまく話せないことがあるのだろう。あらゆる人類が、機械音声のように、ただ情報伝達としてのコードを口から発音するだけなら、どれだけ「楽」だろうとおもう。 おもわず喉もとが硬く締め付けられて、ことばがうまく出ない。相手の相槌を待つこ…

イラク帰還米兵のはなしを聞きに行った。

豊中国際交流協会の小さなイベントに行った。 アッシュさんという名前のお兄さんが、戦地での自分の体験を話した。 アッシュさんは「イラク帰還米兵」である。高校卒業後に州兵に入隊し、計6年間、従軍した。かれはクウェートとイラクにいた。 アッシュさん…