しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

研究

あなたの町は安全です

先日、「人と防災未来センター」に神戸市内の小学生が来てくれました。「防災セミナー」と題して、30分ほどのレクチャーをさせていただきました。 これまで兵庫県には緊急事態宣言や蔓延防止措置が発令されていて、こうした校外学習の来館者は少なかったので…

乗船不遑。登山難及。

『日本三代実録』巻16に、貞観地震津浪についての短い記述がある。 真っ黒な海が盛り上がって津浪が押し寄せ、内陸の数十百里も海となってしまい、その果てがわからないくらいだった… といった意味らしい。 そのなかに「乗船不遑。登山難及。溺死者千許」と…

村の名誉(北原糸子『磐梯山噴火』)

さて、さきほど紹介した碑文を写し終わって村の屋敷地へ向かう一本道を歩いていると、ちょうど途中で村の人らしい中年婦人に出会った。そこで、私は碑のことを尋ねてみた。すると、ご自身のお祖父さんが山内弁次家でひとり生き残った山内竹次さんで、当時数…

第5回黒田裕子賞を受賞しました。

人と防災未来センター研究部・資料室メンバー(木作尚子・中平遥香・高岡誠子・高原耕平)が取り組んでいた研究プロジェクト…を実施した「人と防災未来センター」が、第5回黒田裕子賞を受賞しました。 いろいろなつながりの中から生まれ育ったプロジェクトで…

ラジオ関西「知らないけど知っている~私たちの1.17~」日本民間放送連盟優秀賞

ラジオ関西さんが今年1月17日に放送された番組「知らないけど知っている~私たちの1.17~」が、2021年日本民間放送連盟(ラジオ報道番組)で優秀賞を受賞されました。 震災後うまれの津田アナウンサーと、さらに若い長田高校放送部の生徒さんたちが、95年の…

きょうの「ひとぼう」(がまだすドーム巡回展)

「人と防災未来センター」西館1階で、「雲仙岳災害記念館がまだすドーム」巡回展が実施されています。溶岩流に曝された遺物に目を奪われました。 月並みな表現ですが、噴火災害の強烈さを想像させられます。 それにしてもこの壊れやすい遺物群を全国に運び…

イベントのお知らせ(2021/10/16 ふたば学舎)

10月16日に、神戸市長田区の「ふたば学舎」さんで、神戸の「復興」をめぐる哲学対話の場をひらきます。今年度4回予定しているシリーズの第1回となります。 お申し込みはこちらから>> 10/16復興ダイアローグ参加者募集

実験記録:血気盛んな男子70名を密室に閉じ込めると何が起きるのか…?!

論文を書くぞーということで過去の文献を漁っているといろいろと面白いものも出てくる。今日はその1件を紹介する。 密閉した地下室に70人の男性を閉じ込めて数時間、何が起きたのか…?!! 煽るのはこれぐらいにして真面目に紹介すると、空襲に備えた防護室…

Japan Anthropology Workshopで活動が紹介されています

JAWS:Japan Anthrolology Workshopのウェブサイトに、石巻市のフィールドワークの様子を紹介する記事が掲載されました。 東北大学災害科学国際研究所の定池祐季先生、ゲルスタ・ユリア先生、および石巻市に住み着いている在野研究者奥堀亜紀子さんと高原が…

熱海では避難者へのメディア接触管理ができているのか

熱海の土砂災害では、安否不明者の家族・知人に対するインタビュー記事が被害規模に比してかなり多いのでは、と感じている。 現在の安否不明者は20名前後。その近親者や知人の絶対数は100名規模になるだろう。報道を拾うと、こうしたひとびとのナマの声がか…

共著書が出版されました:ほんまなほ監修・中川真責任編集『アートミーツケア叢書3 受容と回復のアート 魂の描く旅の風景』生活書院、2021年

アートミーツケア学会が出す叢書の第3巻です。じぶんは「「だから」と「それから」 K復興住宅のミノルさんのこと」という文章を書きました。 この原稿を書いているときは不思議な感覚で、骨身を削り込んで苦悶しながら書いたのでも、計画的にきちっとスマー…

論文を書く前に、調査に取り掛かる前に「予備分析」をする

これは自分のやり方なのだけれど、新しい研究課題に取り掛かり始めたり、論文の構想を作り始めたり、調査計画を立てたりするとき、問題の「予備分析」をすることにしている。 日本語で「予備」というと「スペアパーツ」みたいなニュアンスが強いけれど、ここ…

論文が公開されました

高原耕平「情報アプローチと生活アプローチ -減災システム社会はどこへ行くのか-」『災害情報』19(1), pp.23-34, 2021. http://www.jasdis.gr.jp/_src/707/19-half.pdf?v=1615204386327 2年前、現在の職場(人と防災未来センター)で災害対応マネジメント…

学会で発表賞をいただきました

先週土曜日の災害情報学会・若手研究発表大会で会長賞をいただきました。 発表題目は以下です。 高原耕平「判断は実在するのか 避難研究の多角化のために」 聴講、コメントいただいた皆様、これまで研究活動を支えてくださった皆様にお礼申し上げます。津波…

兵庫県庁の抜き打ち防災訓練

大震災から2周年目にあたる平成9年1月14日、兵庫県は初めての完全抜き打ちの防災訓練をしました。(中略) この訓練では、訓練の関係者、関係機関には、「1月10日から30日までの間で姫路市内を訓練会場として抜き打ち訓練を実施する」ことだけを事前に伝え、…

江戸時代の被災者生活再建支援法

『武江年表』によると、焼失した町屋に対する下賜金の支給額は間口一間(182センチ)当たり金3両1分と銀6匁8分であった。匁に換算すると、一間あたり169匁3分(約34万円)になる。これだけの額の下賜金の支給は、江戸の復興を大いに後押ししたはずである。 …

室戸台風は当初「室戸台風」と呼ばれていなかった

それでは、なぜ室戸台風は室戸台風なのか。 (…)中央気象台は『気象要覧』第421号(9月分・10月末発行)を出した。これが、われらの室戸台風を、まさしく〈室戸台風〉と名付けた最初の文献となるのである。(…) ところで、こうしたせっかく室戸台風と呼ば…

同期が本を出しました(宮前良平『復興のための記憶論』大阪大学出版会、2021)

大学院時代の同期(研究科も研究室も違いますが)が博論を出版しました。 岩手県野田村での津波被災写真の返却会をずっと追ってきた若手研究者の最初の一冊です。 年明け1月8日発刊で、絶賛予約中です。ぜひお買い求めのうえ、感想・ご批評を著者までお届…

論文が公開されました

災害復興学会に投稿していた論文が公開されました。 査読無しではありますが、自分で書きたいものを書いたという実感がある論文です。 お気に入りの一本です。 高原耕平、山村紀香「オルタナティブ遺構論 小さな遺構と出来事への近づき方」、日本災害復興学…

共著論文が地域安全学会の論文奨励賞を受賞しました

共著者として参加した地域安全学会の論文が学会の論文奨励賞を受賞しました。 藤原 宏之,佐藤 史弥,松川 杏寧,寅屋敷 哲也,高原耕平,竹之内 健. 「災害マネジメント総括支援員等が執る災害対応プロセスの分析」『地域安全学会論文集』37, pp.327-338, 2…

自分の書いたものにきづく

近日の発表で過去のスライドを1枚くらい再利用しようかなーと思い、昨年の復興学会で自分が発表したときのPPTを見直すといろいろと面白いことを書いていてちょっと驚く。 去年の自分はこんなことを考えていたのか… やるやん… というか発表したんやったらマジ…

講演します

10月15日「震災対策技術展大阪」D会場 グランフロント大阪(北館地下2階) 高原耕平「待ち望む・積み重ねる・くりかえす: 東遊園地から考える技術と災害」 セミナー(会場) | 震災対策技術展 大阪

論文が採択されました

少し以前に投稿していた論文が査読通りました。 大門大朗・宮前良平・高原耕平「集合的トラウマと災害復興に関する理論的検討―カイ・エリクソン『Everything in its Path』を読み返す」日本災害復興学会論文集、次号掲載

論文が採択されました

査読が通りました。 高原耕平「0歳児が語る阪神・淡路大震災: 震災学習世代の中間記憶と世代責任」地域安全学会論文集, 37, 2020. 次回の学会秋季大会での発表となります。

宮地尚子『トラウマにふれる 心的外傷の身体論的転回』(新刊ご恵投いただきました)

精神科医・医療人類学者の宮地尚子先生より、新刊書『トラウマにふれる』をご恵投いただきました。 ことばからからだへ、からだから性へ、性から社会へ、社会からひとへ、ひとからまた、ことばへ。そのような転回というか、「動き」をずっとたもった本である…

江戸時代の「見試し」

「見試し」という方法があることを知った。現代的にいえば、フィードバックを重視した柔軟なエンジニアリング/プロジェクト管理手法、ということになるだろうか。 直接知ったのは、藤垣裕子氏の『専門知と公共性』という書籍から。少し長くなってしまうが、…

大震法の時代

「大規模地震対策特別措置法」という法律がある。大震法と略される。1978年(昭和53年)に成立した法律で、いわゆる「東海地震」の予知を前提としている。観測網が東海地震の前兆現象を捉え、学識者からなる「判定会」が東海地震の危険が迫っていると確認し…

研究用個人データベースを自作する

研究は資料を溜め込んでは編みなおす作業である。溜め込んで忘れてしまっては厚みのある研究はできない。そこでデータベースに類するものが必要になる。しかし決定版の既製品というものは無い。そこで自分でデータベースを自分で作ってみようとおもう。 1.…

東北へのチューン

先週、個人的な旅行で宮城県を歩き回って、きょうまた学会で仙台に来ている。きょうの仙台は関西に比べるとかなり涼しい。帰りたくない。先週の旅行と今日の学会ではっきりと自覚したことがある。それは、東北の「被災地」に対して自分のアンテナの周波数の…

絶句

昼間、このエントリを拝読して言葉を失った。 自分自身が授業料減免制度を利用してきたし、後輩たちもおそらく利用しているからだ。 じぶんは大阪大学で院生をしていた5年間、前期課程2年間と後期課程1年目は半額免除、後期課程の2-3年目は全額免除していた…