しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「地毛の色」が「本当の色」なのではない

大阪の府立高校の生徒が、もともと茶色い頭髪であったのを学校に黒染めを強要され、登校を著しく制限されたとして、府を相手取って提訴した。…というニュースを読んだ。 授業への出席や修学旅行への参加も禁止されていたということで、学校の対応は常軌を逸…

木が折れる

先日の台風で大学そばの林の木が根本から倒れ、小道を塞いでいる。あの晩、わたしは投票のためにいったん実家に戻り、ずぶ濡れになりながらその小道を通っていた。その後に倒れたらしい。ちょっと、あぶないところだった。 大学構内では、共通教育棟の中庭の…

被害者をだまらせる技法 ―伊藤詩織『ブラックボックス』感想

伊藤詩織『ブラックボックス』(文藝春秋、2017年)を買って読んだ。ジャーナリストとしての就職を望んでいた著者が、TBSワシントン支局長の山口敬之氏から性的暴行を受け、同氏が不起訴処分となったことから検察審査会に申し立てを行った。その申し立ての報…

生態系っぽい場所に幸福を感じる。

生態系っぽい場所に幸福をかんじる。 道を歩いていてたまたま見つけたぽっかりとした空き地、たとえばモノレールの高架の下の空間に、草がしげっている。草は種類によって背丈が異なり、もわもわもさもさとしている。葉のあいだや土のおもて、土のなかに虫が…

蜘蛛の巣が撮れない

面白いものを見つけたらiPhoneのカメラで写真を撮る。 朝のキャンパスの坂道にいたカメとか、部屋にいたバッタとか、マンションの階段にいたトカゲとか、かたつむりとか、たい焼きとか、弟の部屋で飼われている水棲のカメとか。 今朝は通学路にたいそう立派…

伊能図を正確だと直観できてしまうことのふしぎさ

伊能忠敬の地図が、不思議だなとおもう。 不思議なのは、あれを見たひとのおそらく全員が、「この地図が本物の地図なのだ」と確信してしまうということ。 それは江戸時代にあの伊能図を見た幕府の役人もそうだっただろうし、現代の人間もそう感じる。それ以…

文系院生、工学型の「発表12分・質疑応答3分」学会発表を初めて体験する

一昨日と昨日、災害復興学会に行って発表をさせてもらった。 場所は兵庫県立大学の旧神戸商科大学キャンパス。初めて訪れたが、こじんまりしていて、建物と木々が美しくて、いいところだなぁと感じた。ここで学ぶ学生は自然と気持ちが落ち着いてくるだろうな…