しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

数字と災禍

死者を数字で捉え始めると、その事件は災害になっているのだなと今回の新型肺炎を見聞きしていておもう。「災害」と言うと日本語では自然災害のことになるので、より広い種類の事件を含むものとして、災禍という語をさしあたり使うことにする。 この点では、…

テレビ朝日の「阪神淡路大震災 取材映像アーカイブ」が公開されました

約38時間分、1970本だそうです。サイトを通じて上映するのであれば、非営利の研修や研究用では無償で利用できるとのこと(要事前連絡)。非常に貴重なデータベースです。テレビ朝日さんのご尽力・ご英断に感謝します。(人と防災未来センターも後援だそうな)…

書くことについて

文字とは元来、神秘をその凹凸や形状そのものにおいて凄烈に現す場であるか、もしくは呪いの意図がいったん滞留する場である。卜占においては文字は書き手なく現れる。呪いにおいては文字は読み手なく刻まれる。いずれの場合も、文字は激しい恐怖や畏怖の感…

マッチを売っている少女を見て貧しいと思った自分への自戒

マッチを売っている少女は貧しい? ある日街を歩いていて、ある少女が手売りしていた発火用具がずいぶん昔の形をしていました。わたし自身は火打ち石からのユーザーなのでその形を知っていて、多分にマッチです。2020年の今でもマッチって売ってるんですね。…

拒む

災害に関連する「作品」に対する瞬発的な拒絶感のようなものがある。とりわけ、壁画、オペラ、合唱といった大掛かりなモノに対する否定的感覚がある。食わず嫌いというのか、中身を十分に検分しないまま、受け入れることを拒絶している。生理的な、という言…

何か別のものが

夜警たち。夜、部屋の電灯を消してゆくとき、暗くなった部屋にだれが責任をもつのだろうと思う。子供のころはよくそのことを考えた。この暗さという特権、夜の聖なる無音の享受、始原も終末もない闇の王権を、だれが引き受けているのだろうと。概念上の無は…

休戦

おばあちゃんが入院したと家族のLINEグループに連絡が来た。父方の祖母で、90歳代だ。入院先が職場の最寄駅から乗り換え無しで行けることがわかったので、夕方に見舞いに行った。こういう場合、見舞いと言うのか、最後の挨拶というのか、なんとも「とりあえ…

2行目は聞いてもらえない

社会人になって気づいたことに、世の中のひとは必ずしもわたしの発話の「2行目」を聞いてはくれない、ということがある。聞いてくれるひとと、そうでないひとがいる。2行目というか、2文目というか、たとえば「一般的にはAです、ただしこの場合は特殊例とし…

ことばを覚える前の夢

英語で話す夢を見た。とても流暢というのではなかったけれど、わりとすんなりとやりとりしていた。起きてから、現実でもあれぐらい話せればとりあえず助かるのだけれどなあと思った。 英語を話せないのに、英語で話す夢を見た。とすると、わたしは母語を話す…

「人も荷物もごっちゃに」(アーサー・ビナード編著『知らなかった、ぼくらの戦争』)

ご飯なんか一日に一回くらいなので、お腹は減るし、死ぬ子が何人も出たんです。 ある親は、死んだわが子を何日も置いていたけど、周りから「臭い」っていわれて、海にザブーンって落として、泣いていたそうです。子どもを亡くした親の泣き声で、船中いっぱい…

カルロス・ゴーンに期待したい次の一手

レバノン大統領選に出馬、当選。国家元首として再来日。総理官邸で首相と会談、楽器ケースをプレゼント。

工業的であるとはどういうことか 小綺麗版ガンダム雑感

このエントリで紹介されている「小綺麗版ガンダム」↓の映像を見た。 たしかに わりとカット頭が止まっていて、止絵が多くて、セガサターンの特典アニメかよ!というレベル というかんじ。ショートフィルムやムービーではなく、あくまで「途中でレンダリング…

書くことの格率

じぶんが時代にほとんどついて行けていない、という感触がある。 ここでの「ついて行けていない」というのは、最新のニュースがわからないとか、先端的な流行が理解できないとか、目新しい考え方に慣れないといったことではない。おそらくそうした流行にぴり…

為してないことばを使わない

さいきんの書くことの格率。実際に為していない行為のことばを使わないこと。たとえば「紡ぐ」ということばがある。しばしば「ことばを紡ぐ」「物語を紡ぐ」といった表現が使われる。しかしわたしは本当に糸を紡いだことがない。つまり、カイコの繭や、木綿…

時代とちょこまか

時が経ち、時代が移り変わってゆくという感覚がいまひとつ自分の中に無いような気がする。たとえば、昭和初期の都市や田舎の風景を撮影したフィルムの映像を、テレビやネットで見ることがある。白黒の焦げたような陰影のなかを、当時の人々がちょこまか動き…

神戸と霧

科研提出したメンバーでアメリカに調査に行くぜ!という流れになる。具体的な旅程の相談が始まってから、パスポートが切れているのに気づく。 仕事が最近立て込んでいた。それがいったん区切りとなり、今日は午前中振替休日にしていた。充電のため。その休み…

公務員の肩書がわからない

いまの職場は公務員のひとたちと接する機会が非常に多い。名刺もいただく。名刺にはいろいろと肩書が書いてある。その肩書の意味が、なかなかわからない。 審議官と参事官では、審議官の方がエライのか、参事官の方がエライのか。エライエラクナイのヒエラル…

目分量の生活

洗濯は朝と決めている。乾燥もしてくれるので洗濯ものを放り込んでスイッチを入れるだけなのだが、洗剤は自分で毎回投入しなければならない。「0.3」とか「0.5」とか、洗濯機が洗剤の量を教えてくれる。 ところがどうも自分はその指示に従っておらず、なみな…

伊藤野枝と電車内の記述 その2 大正時代の痴漢

『伊藤野枝集』を読んでいたら、もう一箇所、電車内についての記述が出てきたので書き抜いておく。 私はよくこみ合う電車の中などで、こみ合うのをいい幸にして、わざと身体をすりよせて来たりする不都合者に時々出遭います。そんな場合には、どうも表立って…

伊藤野枝『乞食の名誉』における電車内の記述

少し前、電車でどこかに「行く」という表現は奇妙だと書いた。そのとき、夏目漱石の小説『坑夫』に、歩いていた主人公が途中で汽車に乗るシーンが出てくるということを、記憶のまま書いた。 その後、電車の車内の書き方ということに少し関心を持っていた。 …

研究用個人データベースを自作する

研究は資料を溜め込んでは編みなおす作業である。溜め込んで忘れてしまっては厚みのある研究はできない。そこでデータベースに類するものが必要になる。しかし決定版の既製品というものは無い。そこで自分でデータベースを自分で作ってみようとおもう。 1.…

役に立ちたい、の危うさ

現在の職場に研究員として就職してから、2回、災害対応の現地派遣に参加した。 1度目は工場の重油流出があった佐賀県、2度目は今回の台風19号の被災地。 現地派遣に実際に組み込まれて、ほんとうにいろいろなことを考えた。 ここまで真剣にものを考えたの…

被災地から出るときの

先週、3日間、台風19号の被災地に入っていた。被災地という言い方にはいろいろと抵抗を感じるのだけれど、ともかく被災地と呼ぶほかない。そこから神戸に帰ったとき、自分のこころが独特の刺々しさを帯びていることに気づいた。ささくれているというか、誰か…

「遠いい」

さいきん、関西圏で、「遠い」と言うとき「トオイイ」と語尾のイを重ねて発音する例をたまに聞く。若い人に多い気がする。ある地域で昔から言われていた方言の一種でありそれが広がっているのか、それとも最近になって発生した新しい言い方なのか知らない。…

「逃げ遅れたのか、取り残されたのか、逃げる途中だったのか。」

3月11日は沿岸部に大きな被害がありましたが、4月7日の余震で、内陸にも被害がありました。私の自宅では、台所の食器棚が全部倒れました。私は寝室にいて、立っていられる四つん這いになって逃げたのですが、そのあとに寝室のタンスが倒れ、下敷きにならずに…

これ以上かっこいい名前の研究室は無さそう

かっこよすぎでしょう?

初等教育で「トロッコ問題」を使うことの是非

小中学校で「トロッコ問題」を題材に授業することがあるとチラホラ読むことがあって、うーんそれは…と思っていた。個人的な意見だが、初頭教育で「トロッコ問題」を使うのは、相当の覚悟が無いかぎり、やめたほうが良いのではないかと考えている。 以下のよ…

組体操というより雑技団

組体操の継続をめぐって神戸市長と同市教委が「大バトル」という記事。骨折事故が起きてるから止めろという市長と、継続という教委の構図。 事故例のイラストを見てすごく驚いた。というのも、わたしが中学生の時にはまずやらなかったような「技」だから。 …

コメリの災害対策センター広報誌がおもしろい

ホームセンター「コメリ」の「災害対策センター」が年2回広報誌を発行しているのだが、この内容がおもしろい。 http://www.komeri-npo.org/about/history/other/2019/support_1901.html No.23の特集は「滋賀県インタビュー 国内で26年ぶり豚コレラ」。 昨年9…

『風の谷のナウシカ』が長期連載化したら

大海嘯・オーマ編(1-7巻) クシャナのトルメキア再興編(8-13巻) チクク修行編(14-16巻) アスベル流浪編(17巻) 蟲使い13支族最強戦士トーナメント編(18-25巻) ラピュタ島封印編(26-29巻) クロトワ覚醒編(27-30巻) チヤルカ料理対決編(31-45巻) アスベルの息子…