しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

阪神大震災

長田区まちあるき(復興ダイアローグ2nd#2)

9/25(日)に、「復興ダイアローグ」のワークショップのひとつとして神戸市長田区の路上観察に参加しました。スタヂオ・カタリストの松原永季さんに教えていただきました。そのとき撮った写真を掲載します。 真ん中の物置の上に並んでいる多肉植物がかわいい…

復興学会ウェブサイトにコラムを寄稿しました

「電信柱をくぐる:「災害の記憶」のオルタナティブ」 https://f-gakkai.net/lessons-and-learned/2878/ 写真データをご提供いただいた「コープこうべ」様に改めて御礼申し上げます。

震災が始まる

ことしは震災が始まるのが早いなぁとおもう。 例年は秋の終わり頃から徐々に震災が始まって、年が開けるとより本格的になり、1月17日が終わると静かに外れる。そのサイクルがある。 単純に自分の内心のイメージとして始まる・切り替わるというより、被災地に…

そのとき何歳? 災害・年齢相関早見表

大学で講義するとき、受講する大学生が何歳のときに各災害が起きたかわからなくなってくる。たとえば、今年20才の大学2回生だと、東日本大震災のとき9才。 この「当時何歳だったか」という感覚は、災害伝承を考える際にも重要であると思う。 というわけで、…

情報をよこせ

アメリカではどうか知らないが、神戸で悩んだ一つは「情報をよこせ」のたえまない要求であった。日本のヒエラルキーでは、ボトムアップ型の情報伝達において「情報が自分をバイパスすること」は自分の権力を無視され耐えがたいことなのであろう。情報は各レ…

第5回黒田裕子賞を受賞しました。

人と防災未来センター研究部・資料室メンバー(木作尚子・中平遥香・高岡誠子・高原耕平)が取り組んでいた研究プロジェクト…を実施した「人と防災未来センター」が、第5回黒田裕子賞を受賞しました。 いろいろなつながりの中から生まれ育ったプロジェクトで…

ラジオ関西「知らないけど知っている~私たちの1.17~」日本民間放送連盟優秀賞

ラジオ関西さんが今年1月17日に放送された番組「知らないけど知っている~私たちの1.17~」が、2021年日本民間放送連盟(ラジオ報道番組)で優秀賞を受賞されました。 震災後うまれの津田アナウンサーと、さらに若い長田高校放送部の生徒さんたちが、95年の…

きょうの「ひとぼう」(がまだすドーム巡回展)

「人と防災未来センター」西館1階で、「雲仙岳災害記念館がまだすドーム」巡回展が実施されています。溶岩流に曝された遺物に目を奪われました。 月並みな表現ですが、噴火災害の強烈さを想像させられます。 それにしてもこの壊れやすい遺物群を全国に運び…

イベントのお知らせ(2021/10/16 ふたば学舎)

10月16日に、神戸市長田区の「ふたば学舎」さんで、神戸の「復興」をめぐる哲学対話の場をひらきます。今年度4回予定しているシリーズの第1回となります。 お申し込みはこちらから>> 10/16復興ダイアローグ参加者募集

共著書が出版されました:ほんまなほ監修・中川真責任編集『アートミーツケア叢書3 受容と回復のアート 魂の描く旅の風景』生活書院、2021年

アートミーツケア学会が出す叢書の第3巻です。じぶんは「「だから」と「それから」 K復興住宅のミノルさんのこと」という文章を書きました。 この原稿を書いているときは不思議な感覚で、骨身を削り込んで苦悶しながら書いたのでも、計画的にきちっとスマー…

兵庫県庁の抜き打ち防災訓練

大震災から2周年目にあたる平成9年1月14日、兵庫県は初めての完全抜き打ちの防災訓練をしました。(中略) この訓練では、訓練の関係者、関係機関には、「1月10日から30日までの間で姫路市内を訓練会場として抜き打ち訓練を実施する」ことだけを事前に伝え、…

江戸時代の被災者生活再建支援法

『武江年表』によると、焼失した町屋に対する下賜金の支給額は間口一間(182センチ)当たり金3両1分と銀6匁8分であった。匁に換算すると、一間あたり169匁3分(約34万円)になる。これだけの額の下賜金の支給は、江戸の復興を大いに後押ししたはずである。 …

講演します

10月15日「震災対策技術展大阪」D会場 グランフロント大阪(北館地下2階) 高原耕平「待ち望む・積み重ねる・くりかえす: 東遊園地から考える技術と災害」 セミナー(会場) | 震災対策技術展 大阪

テレビ朝日の「阪神淡路大震災 取材映像アーカイブ」が公開されました

約38時間分、1970本だそうです。サイトを通じて上映するのであれば、非営利の研修や研究用では無償で利用できるとのこと(要事前連絡)。非常に貴重なデータベースです。テレビ朝日さんのご尽力・ご英断に感謝します。(人と防災未来センターも後援だそうな)…

拒む

災害に関連する「作品」に対する瞬発的な拒絶感のようなものがある。とりわけ、壁画、オペラ、合唱といった大掛かりなモノに対する否定的感覚がある。食わず嫌いというのか、中身を十分に検分しないまま、受け入れることを拒絶している。生理的な、という言…

神戸と霧

科研提出したメンバーでアメリカに調査に行くぜ!という流れになる。具体的な旅程の相談が始まってから、パスポートが切れているのに気づく。 仕事が最近立て込んでいた。それがいったん区切りとなり、今日は午前中振替休日にしていた。充電のため。その休み…

黒田裕子は二人いる

看護業界で著名な「黒田裕子」さんが同姓同名の2名おられると今先輩から教えていただいて衝撃を受けている。 おひとりは、阪神・淡路大震災で災害看護の分野を切り拓いた黒田裕子さん。2014年に亡くなられた。 おひとりは、北里大学看護学部教授の黒田裕子さ…

防災教育に関する研究はどれくらいのペースで増えてきたのか

Ciniiで「防災教育」で検索し、論文の発刊年次ごとに数を出してみた。 ざっくりグラフにするとこんなかんじ。 査読論文も紀要論文も学会発表も分けずにカウントしている。 また、微妙に重複があるはずだが、おおまかなトレンドを知りたいだけなので除去して…

関東大震災に教育界はどう反応したか(平野・大部2017)

東日本大震災の後、やはり防災教育は大切だということで、ちゃんと学校で防災を教えましょうという方針が国で固められた。(文科省内のページ:学校安全<刊行物>:文部科学省に答申や参考書がまとめられている) 防災教育は東日本大震災(2011年)のあと初…

「ポスト震災○○年」が不可視化するもの(稲津秀樹「被災地はどこへ消えたのか? 「ポスト震災20年における震災映画の想像力」2017年)

稲津秀樹「被災地はどこへ消えたのか? 「ポスト震災20年における震災映画の想像力」『新社会学研究』2, 2017, 46-56. つまり、「ポスト震災○○年」という言葉でもって震災の時空間が方向付けられる限り、私たちの想像力に1995年1月17日に現出した被災地のリ…

「碑」の傷つきやすさ

震災の鎮魂碑、盗難か 六甲山頂付近建立毎日新聞2019年1月31日 22時05分(最終更新 1月31日 22時11分) 兵庫県勤労者山岳連盟(兵庫労山)は31日、神戸市東灘区の六甲山頂付近に建てた阪神・東日本大震災犠牲者の鎮魂碑がなくなったと発表した。碑は過去にも被…

阪神淡路大震災関連報道記事集成(2019年1月17日付近)

毎年1月17日にかけて、全国紙・地域紙で阪神大震災の取材記事が一挙に出る。ネットで検索できた記事のリンクをまとめた。 追悼行事に関するもの 当時のエピソード、証言等 関連行事 取り組み インタビュー 制度に関するもの その他 論説・提言など 芸能人、…

報道関係者のほうが多い追悼集会

毎年1月17日未明から、神戸市の東遊園地*1で阪神大震災の追悼集会が開かれている。 さっき、そこに行っていた。参加するのはたしか3回目。 会場に入った瞬間、なんでまた来てもたんかなと軽く後悔した(後悔するぐらいなら行かなければいいのだけれど、来て…

「世界一のツリー」騒動の続報が出てしまった

昨年12月、神戸のメリケンパークで「世界一のクリスマスツリー」なるイベントが開催された。わたしはこのイベントが阪神大震災の鎮魂を謳うものであることが、端的に意味がわからないと思った。やめてほしいと思った。そのことは書いた。 このとき書いたこと…

神戸港150周年「世界一のクリスマスツリー」プロジェクトへの疑問

主にtogetter経由で知ったのだけれど、「世界一のクリスマスツリー」というプロジェクトが富山と神戸で進んでいるらしい。 詳細は上記、神戸新聞の記事とtogetterまとめで把握されたい。プラントハンターの西畠某氏が「世界一のクリスマスツリー」プロジェク…

阪神大震災当日の二階俊博議員の動き

二階俊博衆院議員(現自民党幹事長、当時新進党所属)が、1995年1月17日の阪神大震災発生当日にどのように移動していたか。たまたま当人の手記(二階俊博『日本の危機管理を問う 阪神大震災の現場から』プレジデント社、1995年)をちらっと読んだのだけれど…

東神戸病院内の「震災遺構」

狂犬病の予防接種のために東神戸病院(神戸市東灘区)に行ったら、なつかしいものを見つけた。 あまりうまく写真を撮れていないけれど、これは新規外来者が問診用紙に記入する机です。 んで、そこに置かれてた鉛筆。 これ、1995年の震災のとき、インドから救援…

震災追悼のこころみを神戸新聞に掲載してもらった

www.kobe-np.co.jp 去年の4月ころからこつこつ準備をしていた取り組みです。17日を前に、今日の朝刊で紹介していただきました。 記事内容はとても的確で、じぶんの舌足らずな説明を、紙面ではすっきりと過不足なくまとめてくださっていると感じました。ほん…

2016年に書いたもの

2016年に書いたもの、学会で発表したことをまとめておくことにする。 (厳密には「2015年度」に含まれるものや、2016年内にpublishされなかったものも含まれるけれど) その1 リフトンの修士論文 「R. J. リフトンのサバイバー研究における「変容」思想につ…