しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

2018-01-01から1年間の記事一覧

鏡の無い時代に生きていたら

朝、鏡で自分の顔を見ると、あっそうかこれが自分の顔だよな、という感覚が生まれる。顔を与えられなおすというか。 次いで好悪の印象がある。なんだか下品で不健康な顔つきだなぁと感じるときもあれば、スッキリした表情をしているなと感じるときもある。 …

匂いのかたち

ここ数週間、とつぜん、ものの匂いに敏感になっている。季節の変化のためか、体調によるものなのかわからない。匂いという現象があるのだな、ということを改めて理解させられている。 とくにはっきりとわかるのが女性の香水である。以前は通り過ぎたときにふ…

ベンチにもう交代選手がいない全員野球内閣

個人的な語感の理解になるのだけれど、「全員野球」は、延長15回でベンチ入り選手をほぼ使い切ってしまい、高校生時代にキャッチャーやってたからというだけの理由で一塁手が臨時にキャッチャーやる……みたいな状況で民放の実況アナウンサーが「全員野球とな…

これまで見た夢をおおむね覚えている

他にも同様のひとがいるのか、それとも自分だけの特殊技能なのかわからないけれど、わたしはこれまで見た夢をだいたい覚えていて、(後述する条件があえば)思い出すことができる。そのことについて書く。 まず、自分が覚えている夢(思い出せる夢)は成人以…

ネット時代の「世に棲む患者」

あるコンビニの店長が客に対して深夜に卑猥な言動を繰り返していたことが知られ、コンビニ本社はこのオーナー店長とのフランチャイズ契約を打ち切った。 報道によれば地元では以前から知られていた人物だったらしい。事件化した直接のきっかけは客が店長の動…

『ふうらい姉妹』鳳さんのモデル

鳳さんに気になることを聞いてみた。 #ふうらい姉妹 pic.twitter.com/OkqhMhOQ1u — ほぼ毎日『ふうらい姉妹』 (@fuurai_official) June 20, 2017 『ふうらい姉妹』のお姉ちゃんのバイト先の店長(鳳 こだま)のキャラデザは、映画『ファイト・クラブ』(ブラ…

父の上司ありがとう

名古屋市に住む公務員の女性(43)は、高校3年の長男を出産した18年ほど前の出来事を今でも忘れない。 出産を間近に控えた12月の金曜日。医師に「いつ生まれてもおかしくない」と説明を受け、出産準備を始めた。その夜、夫(45)は忘年会。状況を伝…

台風と蝶

台風が去って大学に来てみると、通学路に使っている小道が倒木で塞がれていた。7月の台風でもあちこち倒木があったので、今回も木が折れたり倒れたりしているだろうと予想したけれど、まさかいつもの「この道」がざっくり塞がれるとは思っていなかった。 さ…

「場所が選ばれていく」

――撮影する場所はどうやって決めるのですか。 最初はホームレスのダンボール小屋がヒントだったんで、ホームレスが小屋を作ってるような場所で撮影してたんですよ。橋の上だとか公園とかね。そうすると、おまわりさんに注意されたりするんですよね(笑)。「…

「病院の過酷な労働環境が諸悪の根源」という解釈は妥当か

東京医科大が入試で女子受験生を減点していた(正確には、多浪で無い男子学生のみ加点していた)ことが暴露された。これは性差別だ、ということはほぼ全てのひとが同意し、東京医科大を非難した。 その直後、医師の長時間労働がこの問題の背景にあることが語…

「ナラティブガンダム」みたいな響きのMS名を考案する

慰めザク 潮騒グフ セラピードム さわやかゲルググ 琵琶湖ギャン コットン・ジオング シナジー・ジム ポストモダン・ガンキャノン ゼロエミッション・ガンタンク 有給ビグロ スマートグラブロ スピノザ・ビグザム ワンタッチブラウブロ 東洋エルメス モノト…

図書館の本に書き込んではならぬ

大学附属図書館で借り出した本に書き込みを見つけると、なんとも悲しくなる。全く、本当に、完全に基本的な、当然の、当たり前のルールであるのだけれど、 図書館の本に線引きや書き込みをしてはならない。 図書館蔵書への線引き、書き込みは実は多い。鉛筆…

さいきんのWikipedia巡りの成果11件

Wikipediaをうろついてると、なんじゃそれという小ネタによく出会う。最近出会って気に入った小ネタをいくつかまとめてみる。 ヘラジカ - Wikipedia 唾液には植物の成長を促す成分が含まれている。 マルチーズ - Wikipedia マルチーズは、ヨーロッパで最初か…

「周知のように」を論文で使うべきか否か

「周知のように」という便利な表現がある。「みなさんもすでによくご存知のように」という意味で、とくに論文では使い勝手が良い。 いま自分が書いている論文で、「周知のように」を使っている段落が一箇所だけあった。これを省くかどうか迷っている。 正確…

時代の実感

麻原彰晃死刑執行の報に触れて、20代前半のひとたちが「地下鉄サリン事件って阪神淡路(大震災)と同じ年やんな」と話していた。いずれも1995年なので、正しい。ところがそのあと「酒鬼薔薇聖斗事件ってその後やったっけ」「いや、前でしょ」という会話をし…

電車止まってから途中休講にしても帰宅困難学生増やすだけやねん

大学(昨日)「暴風警報か特別警報出たら休校やで」 大学(今朝)「暴風警報も特別警報も出てへんし阪急電車動いてるから授業するで」 大学(3限中)「阪急宝塚線止まったから4限以降休講にするわ、学生は気をつけて帰ってな」 いやいや、なんじゃそりゃ。…

俺よりウザいやつに説教されないように説教してやる

俺がいまおまえにウザい説教をするのは、世の中には俺よりもさらにウザい説教をするやつがいるからで、おまえが今後世の中に出てそういうやつに出会ったときに説教されないように、いまあえて俺が説教するんだ、という論理で説教をするひとが一定割合いるの…

メリーポピンズになっている

阪急梅田駅からJR大阪駅へつながる連絡通路の途中に屋外エスカレーターがある。きょうは雨が降っているので、傘を差したままエスカレーターに乗った。傘を差して、エスカレーターに立ってゆっくりと地上に斜めに降りてゆく。あ、これ、『メリーポピンズ』の…

『隠し剣 鬼の爪』終盤の提灯の隠喩

映画『隠し剣鬼の爪』(原作藤沢周平、監督山田洋次、2004年)の終盤に、主人公・片桐(永瀬正敏)の家を、片桐の旧友・狭間の妻が訪れるシーンがある。 片桐は藩に背いた狭間(小澤征悦)を藩命で討たねばならない。その前夜に、狭間の妻(高島礼子)が片桐…

同居者を殺害してしまった。

同居者を殺害してしまった。一瞬迷った。けれども殺意に身を任せた。 この居心地の良い部屋に勝手に乗り込んだ向こうが悪いのだ。 わたしの行為は本当に衝動的だっただろうか。 いま、自問している。 さる筋から先日買い求めた凶器を手にした。 狙いを外さな…

眉間に皺を寄せない

眉間に皺を寄せないこと。 なにかを考えるときも、悩むときも、不機嫌なときも、そうした感情に皮膚をすべて預けないこと。 恐ろしい痛みや悲しみや苦痛の場合には、体のほうが全身で皺を作ろうとしているので、眉間が固まるのもやむをえない。そうした場合…

仮にセネガルが追いついたとしても、西野監督の判断を擁護したかどうか

ポーランド-日本戦の終盤、別会場でセネガルがコロンビアに負けつつあるため、日本は1-0で負けているにも関わらずパス回しをして時間を稼いだ。そして警告数差により決勝トーナメント進出を決めた。 観客からブーイングを受けるけれども、西野監督はあえて…

「世界一のツリー」騒動の続報が出てしまった

昨年12月、神戸のメリケンパークで「世界一のクリスマスツリー」なるイベントが開催された。わたしはこのイベントが阪神大震災の鎮魂を謳うものであることが、端的に意味がわからないと思った。やめてほしいと思った。そのことは書いた。 このとき書いたこと…

サポーターがゴミ拾いするのは現地の雇用を奪ってるんじゃないかというまあよくあるアレ

日本からのサポーターは観戦後にゴミを拾うのでエライという話が出ている。 日本サポーターのゴミ拾いが世界的関心事に…ロイター通信が写真を30枚以上配信 : スポーツ報知 世界から称賛された日本サポのゴミ拾い。吉田麻也「誇らしい」【ロシアW杯】 | フ…

猫の事務所

電車の隣の座席で、女性が少年にずっと小言を言っていた。親子らしかった。仮に母子としておく。ずっとずっと母親が何かをこまごまこまごま言っていた。男の子は、数分に一回、「わかってる」とか「受け止めるよ」とか不機嫌そうに言い返すのだけれど、子供…

謝罪を値切ろうとするひとびと

以前から気になっていたことなのだけれど、世の中には「謝るけど、謝ってない」という態度をとるひとが一定割合いる。 お詫び この度、去る6月15日に行われた衆議院厚生労働委員会において、参考人のご意見の際、私が「いい加減にしろ」といったヤジを飛ばし…

北大阪地震の被災自治体のウェブサイトを比較する

スマホ版ウェブサイトをざっと見てみた。 以下、スクリーンショットをぺたぺた貼ってゆきます。 1. 豊中市(大阪府) 「緊急情報」の欄を臨時に作り、ブルーシートの配布や避難所情報へのリンクを掲載。市長メッセージは要らんだろうとおもう。画面右上に「M…

くじを出す

大阪大学豊中キャンパス構内。午前9時半ごろ行ってみると、校舎や図書館がみな閉鎖になり、行き場所がなくなった学生たちが校舎の周囲にぼんやり座っていた。妙に静かだった。構内のローソンのレジで、何かを買った学生にバイトのお姉さんが「くじ」の箱を差…

「いつからわれわれはこうなってしまったのか」

しばらく砲火を交えた後、意外にも日本軍陣地に白旗が挙った。米兵は重機を前進させておいてから、武器を捨てろと呶鳴った。二、三の小銃、剣、飯盒が投げ出された。しかしその次に弾が来て、五人の米兵が傷ついた。前進した重機が射撃を開始し、十三人の日…

王を讃えてきた

梅田テアトルで上映中の『バーフバリ 王の凱旋』を見てきた。以下、備忘録として、感じたことを箇条書きに。多少ネタバレになってしまうので、未見の臣民は先に映画館で御真影を奉戴されたい。 ・基本は若き英雄バーフバリ殿下の流離譚。なのだけれど、ひと…