しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

お砂糖ぽとんする

朝、夫婦ふたり分の紅茶を淹れる。2つのカップにそれぞれティーバッグを入れて、わたしのカップだけ角砂糖を入れ、お湯を注ぐ。

けさ子供がその様子を見て、「ハルもおさとうぽとんしたい」と言った。

角砂糖をカップに放り込むという作業をしたかったらしい。

そうなん、どうぞ、と妻が言って、カップの底から角砂糖をつまみ出し、こどもに持たせると、こどもは受け取った角砂糖を再びカップに落とした。こつん、という音がしてこどもは満足したようだった。そして妻が2つのカップにお湯を注いだ。

 

いちど放り込んだ角砂糖をカップから取り出して放り込み直すというのは無駄ではあるのだが、こどもはそれをやりたかったらしい。とにかく自分でやってみる必要があったのだろう。自分がやってみたら角砂糖がカップの中で浮遊するかもしれないし、別宇宙に消えてしまうかもしれない。それらの可能性はひとつずつ潰す必要がある。いわば、宇宙の挙動を確認する仕事である。ほかのひとには任せられないのだろう。

 

わたしは紅茶を飲んで、東京の大学に就職した元同僚に統計処理のことを教えてもらいに行った。こどもと妻は保育園に行った。