しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

そして小鳥のように(『原爆の子(上)』岩波文庫)

このようなおそろしい戦争は大きらいです。どうぞ、日本中の、世界中のみなさま、もう決して戦争をしないで、平和に手をとり合って進みましょう。

そして小鳥のように楽しくくらして行きましょう。

げんしばくだんは、作らない方がよいと思います。

(平田重子 小学校六年(当時満5歳))

(長田新編『原爆の子 広島の少年少女のうったえ(上)』岩波文庫、1990年、196頁)

 

ほとんど全て凄惨な描写で埋め尽くされている本なのだけれど、ときたま、ふっと胸の柔らかいところを突くような一文がある。「そして小鳥のように楽しくくらして行きましょう」。