しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

ことばが対流する

インタビュー調査が終わって、聞いたことについてあれこれ考える。こういうことかな、こういう話でもあったのかな、あの工場というのは具体的にどこのことなのだろう……と、あれこれ考える。ところが次第に疲れてきて、頭で整理するのを止めてしまい、ただ聞いたことばだけが身体のなかにざーっと対流する。袋に注がれた。銀色の小魚の群れが身体の内側を泳ぐ、星々を抱えた霧が充満する、ぽたぽたと雨が振り続ける。そこからまた、語られたことばが表情を伴って浮かび上がってくる。そういう時間がある。

いいかんじの看板