しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

Tochka Nisshi

23時45分ぎりぎりぐらいまで粘って、論文を投稿した。

共著者とLINEでああでもないこうでもないと話しながら原稿をいじっているのが楽しかった。

 

「自警団」が少しずつ市中に増えているのかもしれないとおもう。

脳がそのように起動してしまうひとびとがいる。それは人間の習性のひとつなのだろう。マツノギョウレツケムシが同じところをぐるぐる回ってしまうことをファーブル先生が実験している。なんとも哀しいけれど、動物とはそういうものだ。人間もそういうものだ。

関東大震災の際の朝鮮人虐殺も、この「自警団精神」が直接の原因だったのだろうとおもう。ひどく、腑に落ちる。100年前の虐殺事件のことが、いまのパンデミックのことで納得される。悼む。100年前に殺されたあなた、あなたはどれだけ怖くて痛かったことであろうか。あなたよ。なにかそういう回路がひらかれる。

 

ひどく哀しい。最新の設備のある病院にかつぎこまれて、それでも肺が動かず息ができず死んでいったひとがおおぜいいる。病院に入ることができず、見捨てられたように命を失ったひとがおおぜいいる。どれだけ苦しかっただろうとおもう。一日に500人、1000人と。あなたよ、あなたがたよ、あなたよ。人間であった。のに。

なにかそう呼びかけてしまう回路がひらかれる。不思議なことだ。 

 

なぜこのような不正が許されているのだろうか。人間が死ぬという事実が、なぜ設定されているのだろうか。わたしがそれに引き渡されるということは、なんら疑っていないのに。