しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

2022-01-01から1年間の記事一覧

背中スイッチとダンス

「背中スイッチ」ということばがある。誰が発明したことばか知らないけれど、臨床的な強度を持ったことばだとおもう。体験に裏打ちされていて、無駄が無く、ユーモアがある。「背中スイッチ」と日々戦うひとは、この単語を見るだけでその辞書的な定義だけで…

首よ座れ

新生児は首が座っていない。知識としては知っていたけれど、実際に子育てが始まるとなんとも言いようのない驚きを指先や手首に感じている。 首が座っていないのに、首を動かそうとする。何よりこのことに驚いた。座っていないなら安静にしてくれていれば良い…

遠すぎた乳首

新生児と1ヶ月過ごしていて印象深いことの一つに、かれの身体の動きの多くが「反射」によって支配されていることがある。 上記のサイトに多くの「原始反射」が載っている。このうち、「手掌把握反射」「モロー反射」「口唇吸啜反射」は、日常の育児のなかで…

そのとき何歳? 災害・年齢相関早見表

大学で講義するとき、受講する大学生が何歳のときに各災害が起きたかわからなくなってくる。たとえば、今年20才の大学2回生だと、東日本大震災のとき9才。 この「当時何歳だったか」という感覚は、災害伝承を考える際にも重要であると思う。 というわけで、…

父親であろうとすることの「簡単さ」

こどもが産まれた日、じぶんは父親になったんだな、良い父親でありたいな、とおもった。ただ同時に、父親であろうとすることはとてもラクで、スムーズで、簡単なのだな、とも気づいた。この「簡単さ」はあやういと思った。 「父親であること」を「父親として…

不安と安心

こどもの表情や雰囲気を観察している。 生後2週くらいまで、大きく分けると「不快」「不安」「無」の3種類の表情を見せていた。「不快」は空腹時やお腹が張っているときなど、「不安」はベッドにひとりで寝かされて親が見当たらないときなど。 不快と不安の…

論文が公開されました…「場所と物語のあいだ:「石巻アーカイブ」の地域活動における写真の〈ここ〉性」

2年前から取り組んでいた調査研究の成果が、地域安全学会電子ジャーナルの査読論文として公開されました。 地域安全学会 » 地域安全学会論文集NO.40(電子ジャーナル論文) 論文本体PDFは以下から読めます。 https://isss.jp.net/isss-site/wp-content/uploa…

3人のこども

こどもがうまれた。先週の日曜日に妻の陣痛が始まり、月曜日にうまれて、おととい産院を退院した。妻とこどもとわたしで自宅のドアを開けるとき、「おかえり」なのか「いらっしゃい」なのか、どっちだろうと迷った。どちらでもなくて、重なっている。いらっ…

ダブルブラインド査読とシングルブラインド査読

目次 目次 簡単な定義 論点 個人的所見① プレプリントサーバーとブラインド方式 個人的所見② 学会規模とブラインド方式 個人的所見③ 査読の意味 拾った記事など。 簡単な定義 論文著者と査読者がお互いの名前を知らないまま査読が行われるのを「ダブルブライ…

ありえた原罪

『タコピーの原罪』を読んだ。 タルるートくんやラムちゃんも、最初に出会う人間が違っていたらタコピーと同じ運命をたどっていたのかもしれないな、とおもった。 タコピーがしずかちゃんと出会ったのが不幸だったかどうかはまだわからない。これからの物語…

ステッキをついて出勤する

おばあちゃんが亡くなった。おばあちゃんと言っても家系図上では「祖母」ではなく、「母方の祖父の兄の妻」というむしろ遠い関係である。ただ、おばあちゃんと言えばこのおばあちゃんだった。わたしの家系は女性が多く、以前かぞえてみたら(故人含めて)15…

湯婆婆すごいな

湯婆婆はすごい。エライ。 危機の予兆を誰よりも早くキャッチする(「なにかイヤなものが入り込んだね…」) 危機管理案件の要所を自らその場で把握し、適切な指示と道具を従業員に提供する(「トゲのようなもの…? 千、これをお使い!」) 大型案件では社内…