しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

彼女だけが聞くことができない。

たとえば90歳のお婆さんが無謀な運転をして、57歳の通行人の女性を死なせてしまう。ほかに数名の怪我人が出る。 事件の直後からさまざまな「ことば」が生み出される。生き延びた怪我人へのインタビュー、亡くなったひとの遺族の声明、加害者の息子の「免許を…

「ズキズキ」と「ずきずき」

授業で擬音語・擬声語と擬態語の区別を扱った。擬音語・擬声語は、「ガシャガシャ」「ワンワン」のように、音や声の様子をことばに表したもの。擬態語は「そわそわ」「うろうろ」のように、ものごとの様子を表すもの。 書き言葉では、擬音語と擬声語はカタカ…

「生活保護は家がある人のものだから帰れ」

私が初めて野宿する人の生活保護の申請に同行して福祉事務所に行ったときのことを少しご紹介しましょう。その方Aさんも初めから生活保護を希望していたわけではありませんでした。60歳になり年金を受給できるようになるが、住所がないので困っていると相談し…

つぶを見つめる

わたしの母には不思議な「科学のセンス」が昔からあった。「科学のセンス」とは何であるか明確に答えることができないのだけれど、情理や倫理とは別の次元で世界をクリアに把握する感覚、とでも仮定義しておく。 このセンスは家族のなかでおそらく母だけが強…

声と傷: 朴璐美様のリテイク

『∀ガンダム』のロラン役、『鋼の錬金術師』のエド役で有名な声優・朴璐美さんのロング・インタビューが非常に面白かったので紹介したい。 いろいろなことが語られているが、いちばん心に残ったのが『鋼の錬金術師』の有名な「君みたいな勘の良いガキは嫌い…

「なろう」系主人公たちを鎧袖一触するキャッチコピー

人様の子どもの税金で(運営される)老人ホームに行くことになる

それが税の根本的な役割だよな。

アメリカで中絶が違法・道徳的悪となった経緯

州によるが、現代アメリカでは人工妊娠中絶に強い制約が課されている。Pro-choice(女性による選択に賛成=中絶の権利に賛成)派と、Pro-life(胎児の生命を守ることに賛成=中絶に反対)派の論争はアメリカ社会を二分するものだというイメージがある。中絶…

籠池夫妻と差し入れの書籍でコミュニケーションを試みるという記事を読んだ

大阪拘置所に接見禁止のまま長期間拘留されている籠池夫妻に対し、差し入れの書籍で間接的にコミュニケーション?をはかっているノンフィクション作家さんの記事。面白い。 大阪拘置所は、夫妻に対する面会や、手紙や写真のやりとりを禁じている。そのため支…

じぶんの身体の大きさがわからない

わかっていないこともないのだけれど、意外とわかってないんだなと最近わかってきた。 わたしはからだが大きい。健康診断で身長測定されると、おおむね177〜8センチぐらいの数字が出てくる。ただし横幅は無い。ススキが本とノートを抱えて歩き回っているよう…