しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

『ネト充のススメ』のリリィさんがかわいい

タイトルで全てを言い切ってしまった(ブログ執筆の理想)。

 

 『ネト充のススメ』は30歳プロニートの主人公(盛岡森子)が、ネトゲを通じて運命の?出会いを果たす物語である。「リリィさん」は彼女がゲーム内で出会う女性キャラ。

 このリリィさんが非常にかわいい。なぜかわいいのか。以下でいくつか理由を探ってみたい。

 

(1)単純にかわいい

 リリィさんはまず視覚的にかわいい。リリィさん登場シーンは作画の気合が違う。

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 動くリリィさんはもっとかわいい。動きが妙にあざとかわいい。

 

(2)声がかわいい。

 聴覚の面でもリリィさんはかわいい。キャラに声質がうまくはまっているとおもう。

 

(3)ネトゲ内キャラなので無理が無い。

 リリィさんは『ネト充のススメ』という作品内のネトゲ内キャラである。これがアニメの「中の世界」で普通に闊歩していたらちょっと無理があるデザインだけれど、作品内作品の登場人物なので、アニメっぽい/ゲームっぽい見た目をしていても自然と受け入れられる。

 

(4)中の人がかわいい。

 リリィさんはネトゲ内キャラだが、それを操作している登場人物もかわいい。

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↑ リリィさんの中のひとの桜井(28)。つまりリリィさんはネカマである。omg. だが視聴者はリリィさんのかわいさは桜井のかわいさでもあることに気づくだろう。

 リリィさんはネカマだが、そのかわいさはネカマとして人為的に演出されているものではない。ここが『ネト充』の巧いところなのだが、桜井の普段の言動とリリィさんの言動はほとんどズレが無い。桜井の素のかわいさが、そのままリリィさんに映えているわけである。このため視聴者はますますリリィさんのかわいさを信頼し、桜井を愛することができる。リリィさん萌えがそのまま桜井萌えにスライドするわけだ。結局、桜井がかわいいなぁっていうアニメなのだ。あれっ…?

 (これはあれですね、地上の似姿と、天界のイデアの関係)

 

 もうひとつ巧いのは、視聴者は物語序盤ではリリィさんのかわいさをあくまで主人公の盛岡を通じて受け止めることになるということだ。その後、リリィさん=桜井であることを盛岡より一足先に知る。視聴者は段階的にリリィさんと桜井の両方がかわいいという真理を理解したうえで、この階梯を盛岡がどのように昇ることができるのかを見守ることになる。そこにドラマがある。

 (ここで一者なる神から現世に向けて神性が段階的に流出しているというネオ・プラトニズム的な構造が物語を規定していることがわかるだろう)

 

 以上、リリィさんのかわいさの構造をかいつまんで分析した。今後、この方面の研究がさらに開拓されてゆくことを望む。