しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

風に否定される哲学者

 私は地にたずねてみました。すると地は、「それは私ではない」といいました。地にあるすべてのものが、同じことをうちあけました。海と淵とその中をうごめいている生物にたずねてみました。するとそれらは答えて、「私たちはあなたの神ではない。私たちの上にあるものにたずねてごらん」といいました。そよ吹く風にたずねてみました。するとすべての空気が、そのうちに住む者たちとともに、「アナクシメネスはまちがっている。私は神ではない」といいます。天と日と月と星とにたずねてみましたが、「私たちは、君のさがしている神ではないよ」といいます。(アウグスティヌス『告白』10巻6章、山田晶訳)

 

アナクシメネスかわいそうすぎる。(アナクシメネスは空気を万物の根源としたギリシャの哲学者)