しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

あまえび

「甘エビ」という名称は、当の甘エビの立場からすると異様に残忍なものであると思う。

 

人間「おまえ、甘エビっていう名前なんやで…」

甘エビ「えっ…?」

人間「なんでか知りたいか? 食べたら甘いからや」

甘エビ「ギャァ!!!」

 

甘エビの持つ多様な存在様態のなかで、捕食されるという側面に、そしてその際の捕食者の味わいにのみ着目した名称を一方的に付与されているわけである。

 

この恐怖は、たとえば突然やってきた宇宙人に人間が以下のように言われたなら、と想像してみればわずかには想像できよう。

 

宇宙人「おまえ、塩辛二本足っていう名前なんやで…」

人間「えっ…?」

宇宙人「なんでか知りたいか?」

 

恐ろしいことである。