しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片を毎日1000字くらいで書く。

臍帯(へその緒)は赤ちゃんと産婦のどちらに属するのか

 助産師の友人と、分娩時の臍帯(へその緒)の扱いについて話す機会があった。

 

 臍帯を切るのだけれど、そこに含まれている血が噴き出るため、クリップのような器具で臍帯を挟んでからハサミで切るのだそうだ。

 

 「臍帯をちょきっと切っても痛くないんですか?」と聞くと、「別に痛くはないでしょうねぇ」との答えだった。

 これはなんだか不思議なことで、わたしの指を同じように切ったら激痛だろうし、身体の内部で腱や骨が切れたりヒビが入ったりしても、当然痛い。髪や爪は切っても痛くないけれど、臍帯はそれらと違って、どくどく血が流れている。

 

 痛くないはずだけれど、赤ちゃんはちょっとびっくりしてるかもしれませんねぇ、と友人が言った。とすると、臍帯は母親ではなく、赤ちゃんの側に属するのだろうか。”へその緒はお母さんと赤ちゃんを繋いでいます”とよく言われるけれど、どこからが胎児で、どこからが妊婦なのか。

 

 この点について助産師の意見は明確で、胎盤で妊婦の血がフィルタリングされ、臍帯以降は妊婦の血とは別(別、というのも大雑把な表現になっちゃうけど)である、したがって胎盤と臍帯は赤ちゃんの付随物とみなされる、ということだった。もちろん厳密にクリアに分けられるものではないが、強いて分けるなら、ということだろう。

 なので、へその緒を切られてびっくりするのは、どちらかといえば産婦側ではなく赤ちゃん側、ということになる。

 

 けど、赤ちゃんにとっては、へその緒を切られることよりも、産道を通るほうがずっと痛くて苦しいはずですよ、とのことだった。それもそーやなー、とおもった。