しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片を毎日1000字くらいで書く。

ゼットン戦とゼルエル戦

 たまたまYoutube初代ウルトラマンゼットン戦の動画を観ると、『エヴァンゲリオン』のゼルエル戦となんかそっくりやなぁ、と思った。

 

www.youtube.com

 

 ゼットンウルトラマン最強の敵とされる。作中でウルトラマンゼットンの高い攻防能力に翻弄され、最後には負けてしまう。

 ゼルエルは『エヴァンゲリオン』に登場する最強の使徒である。ネルフ本部に侵入し、弐号機、零号機を瞬殺し、初号機も一時行動不能に追い込む。

 

 この、エヴァがあっさりと討ち果たされてゆく流れ、その後地下の司令室からミサトさんたちが外に出て初号機を見るシーンなどが、ウルトラマンが倒され、科学特捜隊の面々が破壊された本部から脱出してウルトラマンに呼びかけるシーンとだいたい相似形である(ように見える)。

 

 エヴァンゲリオンウルトラマンである、などというのは散々語られ尽くしていることらしく、上記のシーンもマニアの間では常識のようなことかもしれない。ただ、自分でたまたま見て、やっぱ似てるねんなーと思った。

 

 両者の違いの方が面白い点かもしれない。

 『ウルトラマン』では、ゼットンは博士の取り出した新型爆弾であっさり撃破されてしまう(最初からそれを使っておけばよかったのでは…)。「科学のチカラ」への無垢な信頼。一方『エヴァンゲリオン』では、人間の「科学力」をはるかに越えたものとして使徒や汎用人型決戦兵器が登場する。

 

 もうひとつの違いは、超人と人間の関係である。

 『ウルトラマン』では上記動画のシーンの後、ウルトラマンの上司ゾフィーさんが現れ、ウルトラマンを復活させる。このとき、ゾフィーウルトラマンとハヤタ隊員にそれぞれ別個の命を授け、ウルトラマンとハヤタ隊員は別々の存在に分離する。それ以前は、ハヤタ隊員とウルトラマンは一つの命を共有しているような状態だった。融合していた「ハヤタ=ウルトラマン」が、いちど死んでから別々の命となった。

 他方、『エヴァンゲリオン』ではゼルエル戦のクライマックスで初号機とシンジ君はシンクロ率400%に達し、両者は融合してしまう。ウルトラマン/ハヤタ隊員とちょうど逆のコースをたどるわけである。そして初号機=シンジ君は死なない。新劇場版の『破』から『Q』への流れでは、シンジ君もアスカも老いから切り離され、軌道上に封印されていたりする。登場人物たちは死のタイミングをおおかた失っている。