しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

道鏡代わりの山芋が折れました

 日本の古典籍について全く素養が無いのだが、たまたま『古事談』(源顕兼編、伊藤玉美校訂・訳、ちくま学芸文庫)を読み始めた。

 あれこれ雅なお話が詰まっているのだと思いこんで読み始めたら、第一話からシモネタで面食らった。

称徳天皇、道鏡の陰なほ不足におぼしめされて、暑預を以て陰形を作り、これを用ひしめ給ふ間、折れ籠む、と云々。

 「道鏡の陰なほ不足におぼしめされて」って表現が面白すぎる。平安時代のいろいろな説話を集めた説話集ということだが、登場人物の「キャラ」が立っているものが多く、素人が読んでも不思議な面白みがあるような無いような…と思いつつぽちぽち読み進めてしまう。

 なおシモネタはそこまで多くはなく、ここまで読んだ範囲では「牛車カーセックスに励んでいたら祟られかけた」(巻一「七 宇多法皇、融の霊に腰を抱かるる事」)とか、「花山天皇が即位初日からヤってたぜ」(巻一「一七 花山天皇即位初日の事」)とかぐらいである。

 

 良いなと思ったキャラの一人は藤原道長。天皇に嫁がせた娘が難産で焦りまくった道長が「読経追加!!!」と言って障子を開け放つシーンなど、かれのドタドタした足音が聞こえそうな気がする。そこで部下が「障子を開け放った=〈子が障る〉ことが無くなった=無事ご出産ですよ」とすかさずウィットを挟むというエピソードなのだけれど、そんなテキトウなこと言ってええんかと思う。

 

 もうひとりは花山天皇で、一目惚れした藤原忯子と強引に結婚するが、忯子は17歳でお産で亡くなってしまい、花山天皇はそのショックで出家・退位してしまう。 19歳だった。「俺も一緒に出家するんで」と言った自称ズッ友は嘘泣きして出家せず宮中に残る。Wikipedia見たら出家した花山院は10年くらいして忯子の妹の元に通っていて、なんというか行動がトレンディドラマとかエロゲのカテゴリーな気がする。

 忯子さんはなんともかわいそうだ。死にたくなかっただろうに。