しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

先生達が忙しいらしいから

 学部1回生のとき、夏休みが9月いっぱいまであってこれはさすがに長いなと思った。有効活用しようという計画もなく、ぼんやりと過ごしていたのだとおもう。

 10月1日から後期の授業再開だと思っていたら、工学部の授業はまだ始まらないらしいとクラスメイトが言う。「らしい」などと適当なことがあるだろうかとおもうが、公式の掲示などがあったか無かったか、記憶が無い。

 いつから再開なのかもよくわからず、クラスメイトに聞くと「なんか工学部の先生達が忙しいらしいから、開講はしばらく先だって」ということだった。忙しいらしいから延期らしいというのもいよいよアバウトな話だが、実際に10月初週はたしかに工学部の授業は無く、いつから始まるというのも「らしい」でぼんやり話が伝わってくるだけで、10日か2週間か経って教室に行ってみると第1回目の授業が始まった。

 その後は同様のことは起きなかった。いまではほぼ考えられないだろう。15年以上前の話だが、ぼんやりした時代もあったものだとおもう。