しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

「先生方」という言い方が嫌いだった。

「先生方」という言い回しが、なんとも言えず嫌だった。いまもぞっとする。同系統の表現に「先輩方」「皇族方」がある。これもひどくイヤである。

阪大に来て、実質的に初めてこの表現を聞いた。その前にいた大谷大学では一度も聞かなかった。阪大でも自分が所属した文学研究科ではおそらくほぼ聞かなかった。同じ阪大でもX研究科に行くと、しょっちゅう聞いた。何とも言えないおぞましさがあった。ひとりひとりの「先生」は好きなのだけれど、それが「先生方」になるともうダメだった。個人の顔が消えて、権威主義への同化が強制された。一刻も早く消えて欲しい日本語である。