しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

おじいちゃんは人を撃ったのか

わたしには母方の「おじいちゃん」が二人いる。祖父と、祖父の兄である。後者の「大きいおじいちゃん」は徴兵されて兵隊に行っていた。そのことを生前に当人に直接聞くことはなかったが、わたしは、おばあちゃん(かれの奥さん)と、母(かれの姪)からよく…

最高瞬間視聴率

「最高瞬間視聴率」というものは、不思議な数字だとおもう。とくに放映の展開が予測できないスポーツの生中継の場合、もっとも劇的なシーンに視聴率が最も高くなるというのは、不思議なことだ。 放映の展開が予測される番組の場合は、ここでは除外する。たと…

座学はきつい

6月、「人と防災未来センター」は研修シーズンに入ります。 危機管理室や防災関連部局で働く自治体職員の方が日本中からセンターに来られ、3~4日間、集中講義形式で災害対応に関する最新の知識やノウハウや事例を習得します。わたしのような1年生研究員…

都道府県のスケール感

いまの職場に入って、自治体職員の方と関わることが少しずつ増えている。 そこで気づいたのが、「都道府県」という組織の圧倒的な巨大さ、スケール感だ。 市町村は基礎自治体である。住民にとって、日々の行政サービスのなかで出会うのは基本的に市町村とい…

避難勧告・指示は必要か

豪雨シーズンが近づいている。 雨量が増えると、避難準備・避難勧告・避難指示が市町村から市民に向けて発令される。市民はそれに応じて、もしくはそうした警報を待たずに避難することが理想とされている。 第六十条 災害が発生し、又は発生するおそれがある…

ゴジラKOM雑感

・映画館で涙ぐむのはガメラ対イリスの雲上戦以来だった。・具体的にはラドンの登場からアルゴとの空戦までのシーン。かっこよすぎた。この映画との出会いに感謝した。・製作陣はイリス戦も参考にしてたんじゃないだろうか・本当にラドンかっこよかった・そ…

柔らかい現実と硬い現実

自然災害と戦災を同列に扱うことができるか否か、ということを先週書いた。このときわたしは、復興という観点では同列視できない部分があるという立場をとった。 しかし、個々人の体験という観点においては、自然災害と戦災は共通する部分があるとおもってい…

弟の個展

弟の個展が神戸市東灘区のアートギャラリーでひらかれています。 きょう10日から、6/30まで。 http://street-gallery.net/top/category/upcomming/ 高原秀平展 星のモザイク 2019年6月10日(月)~6月30日(日)9:00~21:00(最終日は15:00まで) 上の写真は京都…

戦災と天災

『月刊社会科教育』という小中学校の社会科の先生を対象とした雑誌が、2011年8月号で「”災害の歴史”と人類の叡智」という特集を組んでいる。東日本大震災の直後の時期であり、社会科教育で災害をどのように扱うかがテーマとされている。 その中に、谷和樹氏…

黒田裕子は二人いる

看護業界で著名な「黒田裕子」さんが同姓同名の2名おられると今先輩から教えていただいて衝撃を受けている。 おひとりは、阪神・淡路大震災で災害看護の分野を切り拓いた黒田裕子さん。2014年に亡くなられた。 おひとりは、北里大学看護学部教授の黒田裕子さ…

防災教育に関する研究はどれくらいのペースで増えてきたのか

Ciniiで「防災教育」で検索し、論文の発刊年次ごとに数を出してみた。 ざっくりグラフにするとこんなかんじ。 査読論文も紀要論文も学会発表も分けずにカウントしている。 また、微妙に重複があるはずだが、おおまかなトレンドを知りたいだけなので除去して…

関東大震災に教育界はどう反応したか(平野・大部2017)

東日本大震災の後、やはり防災教育は大切だということで、ちゃんと学校で防災を教えましょうという方針が国で固められた。(文科省内のページ:学校安全<刊行物>:文部科学省に答申や参考書がまとめられている) 防災教育は東日本大震災(2011年)のあと初…

リテラシー

大多数の人間が自分よりいくぶん愚かであり、読解力や共感能力に欠け、たいてい政治的に不十分な見解を持ち選挙ではいつも間違った選択をしている…と、大多数の人間が思っている。そういう時代であるような気がする。マジョリティとは自分より少し未熟なひと…