しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

これから読む本

読んだ本の紹介ではなく、これから読む本のリストをつくってみる。

博論を書き込んでいる間、がくんと読書量が落ちた。そのこと自体はやむを得ないのだけれど、読まないまま書いていると、身体の中に貯蔵していた活字(?)の備蓄(?)をひたすら放出しているという状態になる。この「備蓄」機構は不思議なもので、書くためには読まなければならないのだけれど、読んだものをそのまま書くのではない。けれども書くためにはとにかく何かを読んでいなければならない。単語や字や短いフレーズが身体のなかに貯まってゆくと、それとは直接関係しないことが論文として書けるようになるらしい。関係のあるものだけを読もうとするとかえってうまくいかない。ある種の水位のようなもので、出てゆく分と入ってゆく分が同じである必要がある。ただ、博論を書いている間は、そうした関係の無いものを読む余裕が無かった。身体に備蓄していたことばをぎりぎり絞り出して書くことを続けざるをえなかった。そういうわけで、わたしはいま、痩せている。備蓄を再開しよう!

 

畑中章宏『天災と日本人 地震・洪水・噴火の民俗学ちくま新書、2017年

金井淑子倫理学フェミニズム ジェンダー・身体・他者をめぐるジレンマ』ナカニシヤ出版、2013年

東畑開人『居るのはつらいよ: ケアとセラピーについての覚書 (シリーズ ケアをひらく) 』医学書院、2019年

アニル・アナンサスワーミー『私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』紀伊國屋書店、2018年

夏目漱石『坑夫』

R. J. Lifton, The Climate Swerve: Reflections on Mind, Hope, and Survival, Newpress, 2017.

西川祐子『古都の占領 生活史からみる京都 1945-1952』平凡社、2017年

R. W. Perry & E. L. Quarantelli, What is a Disaster? New Answers to Old Questions, Xliblis, 2005.

カトリーヌ・マラブー『新たなる傷つきし者 フロイトから神経学へ』河出書房新社、2016年

伊藤亜紗『どもる身体』医学書院、2018年

川本隆史ほか編『マイクロ・エシックス昭和堂、1993年

早川和男『居住福祉』岩波新書、1997年

ピーター・A・ラヴィーン『身体に閉じ込められたトラウマ ソマティック・エクスペリエンシングによる最新のトラウマ・ケア』星和書店、2016年

中井久夫『徴候 記憶 外傷』みすず書房、2004年

阿部安成『記憶のかたち コメモレイションの文化史』柏書房、1999年

渡名喜庸哲、森元庸介編『カタストロフからの哲学 ジャン=ピエール・デュピュイをめぐって』以文社、2015年

もっと手元にあるかと思ったら意外と見つからなかった!本屋に行こう!

(変なテンション)