しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片を毎日1000字くらいで書く。

新歓シーズンの学生たちと、「エコ・レンジャー」

 新歓シーズンに入った。キャンパスではサークルの勧誘が始まっている。花見の場所取りを示す札が樹の幹に括り付けられ(桜の樹に対してあまりに礼を失した態度ではなかろうか…哺乳類風情が…)、体育会系の部員が女子マネ候補を求めて徘徊している。

 

 ところで大阪大学のキャンパスでは「エコ・レンジャー」と名付けられたひとたちが通年で働いている。

本学では、知的障がいのある方が、作業をサポートするスタッフとともにキャンパス内の清掃業務等に従事しています。この取組は平成20年度の吹田キャンパスを皮切りに、平成21年度には豊中キャンパス、平成22年度には箕面キャンパスへと範囲を拡大してきました。 
 また、清掃業務とは別に、豊中キャンパスでは身体障がいのある方が駐輪指導・整理業務に従事しています。
 これらの業務に従事する方々は、「エコ・レンジャー」という愛称で親しまれ、学内の美化に日々努めています。
 「エコ・レンジャー」はいくつかのチームに分かれて、以下の業務にあたっています。

エコ・レンジャーの活動 — 大阪大学

 

 レンジャーたちが黙々と桜の花びらを熊手や箒でかき集めている。そうして清掃された歩道のうえを、サークル勧誘の学生や新入生が闊歩している。花見が始まり、人間関係がとりあえず始まり、友情や恋愛や性交が生じる。ようするにキラキラしている。そのキラキラワチャワチャの新入生・学生たちと、「レンジャー」たちが、たしかにキャンパスの空間ではぎりぎり隣接しているけれど、まったく接点を持たずにすれ違っていている。学生たちはレンジャーたちのことを、目に入っているけれど見えていないように振る舞う。レンジャーたちもまた、学生たちから「認識される」ことを強く希求しているようでもなく、夏も冬も落ち葉枯れ葉花びらをかき集めている。

 

 ひどく歪んでいるような、あるいは健康なような、当たり前のような、とても不思議なような、そうした光景をこの時期のキャンパスでちらと見ている。大学とはいろいろなものを見ることになる場所なのだなと思いながら、とりあえず書きました。