しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片を毎日1000字くらいで書く。

ワシの考える理想の『桃太郎』

犬「桃太郎君、よく聞いてくれ。…これから、村の人たちをひとり残らず殺すんだ」

 

桃太郎「えっ…?」

 

キジ「おじいさんには山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行ってもらった。この二人は生き残る」

 

桃太郎「どういうことですか。わたしたちの敵は鬼だったのでは」

 

犬「大義名分が必要なんだ、桃太郎君。鬼たちが人間たちに何をした?」

 

桃太郎「ええと、財宝を奪ったり、お姫様をさらったり」

 

犬「そうだ。だがそれは鬼たちが『退治』される正当な理由になるだろうか? 強盗も拉致も重罪だが、鬼ヶ島まるごと殲滅されるに値するほどではない」

 

猿「だから、まずこの村の人たちに犠牲になってもらう。そして鬼たちの仕業だと喧伝する」

 

犬「そうすれば、鬼たちに融和的・中立的だった周辺諸侯もこぞって鬼退治に賛同するようになるだろう」

 

桃太郎「そんな……ぼくには…」

 

犬「誰かがやらなければならないのだよ、桃太郎君。理想だけでは中国地方も岡山もまとまらない。ひとを動かすのは憎悪、恐怖、怨恨なんだ。鬼退治のためにはやむをえない犠牲だよ」

 

桃太郎「そこまでして鬼は退治されなくちゃいけないんですか??」

 

猿「鬼退治こそが君の使命だろう」

 

桃太郎「ぼくはただ、桃に入って流れてきただけだ……。」

 

猿「だから鬼退治をする。運命なんだ」

 

選択肢1: 桃太郎「…わかっています」→桃太郎Cルートへ

選択肢2: 桃太郎「バカなことはやめるんだ!」→桃太郎Aルートへ