しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片を毎日1000字くらいで書く。

国立国会図書館のデジタル化資料送信サービスを使ってみた

学内に無い論文の複写取り寄せを大学付属図書館に依頼したら、「国立国会図書館デジタル化資料送信サービス」で閲覧できるから取り寄せ依頼はキャンセルさせてもらうねと返信をいただいた。

 

図書館向けデジタル化資料送信サービス|国立国会図書館―National Diet Library

 

国立国会図書館デジタルコレクション」に収録されたデータの一部は一般公開扱いで、自宅PCなどから誰でも閲覧できる。それら一般公開以外のデータも、大学図書館の専用端末からスキャン画像やPDFを閲覧できる。それがこの「デジタル化資料送信サービス」。

 

資料の検索画面はやや使いにくい。できればCiniiとインターフェイスを合わせて欲しい。とはいえ、欲しい書誌情報があらかじめ決まっている場合は、ぽちぽち検索しているあいだに見つかる。

 

で、ここからが本番なのだけれど、探し出したデータのコピーを手元に残したい。しかし「いま閲覧しているデータをPDFとして保存する」といった機能は無い。*1

 

そこで、「国立国会図書館デジタル化資料複写申込書」という用紙に氏名や書誌情報を記入して大学図書館の窓口に提出する。

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(紙で隠しているところには、申込者の氏名、所属、身分、支払い区分、連絡先、講座責任者名を書きます)

 

公費なら1枚10円、私費なら1枚20円になる。今回は私費で70枚、1400円を支払う。

 

この申込用紙を提出、受理された後、数時間後に「印刷終わったから窓口に取りに来なさいな」とメールをいただく。現金で支払い、紙に印刷された資料と領収書を受け取る。

 

PDFでクレ。

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このあと、受け取った印刷資料をScanSnapでPDF化した。

国会図書館サーバ→画像データ(おそらくPDF)→大学図書館→印刷→ぼく→スキャン→PDF

という雅な手順を踏むことになるわけで。いったんデータで送信されたものを、なぜ紙媒体に落としてから渡されなければならないのか、理解に苦しむ。データのやりとりだけなら紙の使用も減るし、窓口業務も減るし、料金も抑えられるだろうに…(有料であること自体はかまわないのだけれど)。

 

おそらく著作権との絡みがあるんだろうけれども、現代ではScanSnapのおかげでPDFと紙の境目はかなりシームレスになっている。紙で渡すから著作権が守られる、ということにはならない(もちろん、わたしは自前でPDF化した資料を一般公開しないけれど)。

著作権上の制約があるなら、「画面上でのみ閲覧可、PDFも紙もダメ」と「閲覧可、PDFでDLも可」に分けるべきであって、「紙なら可」と「PDFも可」の間で線引きをするのは本質的ではないようにおもう。

 

分野によると思うんだけれど、この手の文献漁りが卒論や修論では集中的に必要になる時期がある。取り寄せサービスを使っていると、論文一本につき500円ぐらいぽんぽん飛んでゆく。もともと有料の論文雑誌サイトからサブスクリブする場合はしょうがないけれども、本来は無料あるいは可能な限り廉価で閲覧されることを目指しているはずの学術アーカイブで、上記の妙な紙信仰のような理念のために印刷代として500円や1000円払わなきゃならんのはあまり合理的とはおもえない。学部生や院生のHPもけっこう削れてゆく。

 

*1:インターネット一般公開のデータの場合はPDFがぽんと置いてあってDLできるのだけれど