しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片を毎日1000字くらいで書く。

ブレーカーを落とす奥さんを殴るプログラマの話

 「じぶんがパソコンで複雑な作業をしている最中に、たまたま他の家電を使ってブレーカーを落としてしまった奥さんを殴るプログラマ」の話を読んだことがある。読んだのはたぶん20年近くまえのことだけれど、いまも記憶に残っている。

 

 いったいどういう本だったのか、全体像は思い出せない。たしか女性の書き手が友人の家に行ったとき、その友人が電子レンジかなにかを使ってブレーカーを落としてしまった、という筋だった。すると、旦那さんが現れて「せっかく作業をしていたのに、またやったのか」といったことを言って、奥さんを殴った。

 文章の主題は「ほえ〜ブレーカーで使えなくなるとそこまで怒るんだ、PCってよくわからんなぁ」といったことだったとおもう。ようするに殴打のほうは主題ではない。

 

 なにも殴らんでいいのに、と読んでいたときのわたしはぼんやりとおもった。いまも思う。

 そして自宅でブレーカーを落とすたびに、このエピソードを思い出す。

 その後の20年、この「旦那」はブレーカーが落ちるたびになお奥さんを殴り続けたのだろうか。あるいは態度をどこかで切り替えただろうか。UPS買えよと思う。