しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片のための場所。

だっこリアル

さいきん神戸市はちょっと正気ですか?というくらいハーバーランドらへんで花火をぼかぼか上げていて、今週はずっとメリケンパークで6時半から15分くらい打ち上げるらしいです。それで先日、奥さんと子供の3人でメリケンパーク近くまで歩いてって、わりと近…

いやいやの主体

1歳半が近づき、こどもの「いやいや」が増えてきた。 増えてきたというより、キレが増してきたというほうが正確だろうか。首の振り方に俊敏さと力強さがこもっている。首をぎゅぎゅんと振り、握ったものを渡すまいと両手を左右に振り、軟体動物と化して床に…

グレーゾーンの身体――遠くて近い保育所のこと

4月初日から保育所通園(1歳児クラス)が始まった。当初は「慣らし保育」ということで、一日に数時間ずつ、だんだん伸びてGW明けごろからフルに登園という流れ。 そうして、おおむね5ヶ月が経った。この間に気づいたことを書いておくことにする。 保育所に通…

関西弁で『ぐりとぐら』

きのうの朝、こどもが絵本を掴んで渡してきた。保育所に出るまでまだ時間があったのでその『ぐりとぐら』を読むことにした。こどもがわたしのあぐらのなかにすぽんと座り込んだ。 いつもは書いてある文章をそのまま読むのだけれど、そうしなくてもいいかと思…

ゼンマイを巻く

風呂場にゼンマイ仕掛けのカメのおもちゃがある。プラスチックのウミガメの腹に大人の親指の先ぐらいのツマミがあり、それをじりり、じりと回してウミガメを水面に置くと、両腕をぐるぐる回転させて水面を進んでゆく。 このツマミのゼンマイを回すのは、1才2…

眠れ、刻み海苔を抱いて

昼食のあと、お昼寝のためにこどもを抱えてベッドまで運んだ。食卓には「有明産 刻み海苔」のパックがあって、手に持って振ったり叩いたりするとシャカシャカバンバン音がするのでこどもが気に入っていた。こどもは運ばれるときにその「刻み海苔」パックを手…

こどもが1歳になった

きょうこどもが1歳になった。こども自身は気づいていないようだ。 わたし自身は、誕生日の今日よりも昨日のほうが不思議な感慨があった。 ああ、きょうが0歳最後の日なんだ、とおもった。当たり前すぎるのだけれど、かれは生まれてからずっと0歳だった。…

chatGPTと大学レポート

学生がchatGPTをレポート作成に使うことに、どう対応すべきか。 根本的には「内容が変だったら普通に減点する」「教員の側から質問をする」というのが答えになるのではと考えている。 前提の整理 まず、関係する前提を整理しておく。 すでに多くのひとが指摘…

「こ!」と「う!」

こどもの発音の変化が激しい。頻繁に現れる発音が、長くて1ヶ月、短くて2週間くらいで入れ替わる。1ヶ月前のエントリーで、こどもが興味深いものに出会ったとき「こぉヮ」と上顎を鳴らすような発音をすることを書いた。 また、昨年秋に、母親がいないとき…

査読と編集についてのあれこれ(Twitter観測)

日本語の某学術誌の査読者に「研究者としての資質を疑う」という趣旨の査読コメント()をもらったのでリプライを強めに書いたら、編集委員から「若手だから(五十嵐は)査読をあまりしたことがないだろうが、査読者の先生は時間を割いてくれてるのだからあん…

積み木を積む(主に大人が)

こどもに積み木を持ってきてくれるようサンタさんに依頼した。積み木を選んでよかったなとおもっている。ボーネルンドの製品で、サンタさん曰くすこし値が張ったがまあいいでしょう、と。 こども(9月半)はまだ積み木を積み木として遊びはしない。まずお気…

上顎を鳴らす

9月半になったこどもは、かなり早い時期から、面白いもの・興味深いもの・好奇心を刺激するものを目にしたり手に取ると(かれの場合、この2つはほとんど同じであり、さらに「唇と舌でしゃぶってみる」がたいてい付け加わる)、独特の声を出す。それは上顎と…

列車とお客様との接触

新快速に乗っていたら西明石駅で「列車とお客様が接触」したので大阪止まりになると車内放送があった。 「接触」とは不思議な表現で、字義どおりに受け取るなら駅の乗客と列車がふっと触れ合うくらいで何の傷も受けていないようにも聞こえる。 しかし実際に…

手を置く

こどもが寝ているとき、息をしてるかなとおもって背中あたりに手を置いてみる。こどもはいつもうつ伏せに寝るので、手を置くための「定位置」は背中になる。すると数秒、呼吸をしている様子がわからない。とおもうとすぐ、呼吸のちいさくて深い響きがかれの…

そこに無ければ無いですね

こども(7ヶ月半)はスマホが好きだ。写真や動画を撮られるのも、スマホをつかんで角を舐めるのも好きだ。目の届く範囲にスマホを見つけると猛ダッシュ匍匐前進で捕獲しに来る。 レンズなどを舐められると困るので、親としてはスマホを隠す。即座に枕の下に…

こどもがおどろく

こどもが2週間ほど前から、ときたま、ものごとに「驚く」様子を見せるようになった。 部屋の外でカラスが鳴いているとき、すこし体を縮めながら首を回して部屋の壁をそわそわ眺めていた。こどもはカラスを見た経験がゼロではないが、部屋の外にカラスがいる…

長田区まちあるき(復興ダイアローグ2nd#2)

9/25(日)に、「復興ダイアローグ」のワークショップのひとつとして神戸市長田区の路上観察に参加しました。スタヂオ・カタリストの松原永季さんに教えていただきました。そのとき撮った写真を掲載します。 真ん中の物置の上に並んでいる多肉植物がかわいい…

「安倍氏の国葬、どう考える?」:地元紙・神戸新聞からインタビューを受けました。

地元の神戸新聞さんからインタビュー取材を受け、その内容が記事になりました。 「国葬」は自分の研究テーマの中心ではないのですが、本来の研究テーマである災害の追悼と国葬の違いなどを、取材いただいた田中記者と議論しながらお話させていただきました。…

『力の指輪』雑感

ゲーム・オブ・スローンズは面白かったんだな、と改めて感じた。 本『力の指輪』とGoTは、『西遊記』と『鎌倉殿の13人』ぐらい違う作品のはずなのだけれど、なぜかGoTを思い出してしまう。寄せているんだろうなという感覚を持つ。言い換えれば本作は「指輪物…

旧世代インターフェイス教育

先日、常用しているPITAPAが自分の小さなミスで一時的に使用不可能になった。PITAPAで地下鉄に乗ることができず、券売機でごく普通に切符を買って乗車し、改札口に切符を入れて駅を出た。 駅の券売機で硬貨で切符を買うのは何年ぶりだろうか。10年ぐらいは記…

「んま」と「ぷっぷっぷ」

スウェーデンボルグという神秘家は天国と地獄を見てきたという。天国の住民たちは「天使語」で会話し、地獄の住民たちは永遠とお互いに口論をしているのだという。なおスウェーデンボルグによれば、地獄には希望者が行くという制度であるらしい。 こどもが生…

そこにおった誰か

露宇の戦争が始まった当初、現地からの映像をできるだけ見ないようにしていたのだけれど、1週間ほどでそれをあきらめた。完全に見ないままでいることもやはり無理だと理解した。そして最初に見たのが、たしかキエフ近郊の湖上をNOE飛行しているロシア軍のヘ…

復興学会ウェブサイトにコラムを寄稿しました

「電信柱をくぐる:「災害の記憶」のオルタナティブ」 https://f-gakkai.net/lessons-and-learned/2878/ 写真データをご提供いただいた「コープこうべ」様に改めて御礼申し上げます。

「大和です」

2chモノのコピペの一つに、海自隊員の結婚式に参席していた新郎のお爺さんが旧海軍出身だったというものがある。十数行のコピペ文章だが語り方が上手い。海軍時代に乗っていた船をお爺さんに聞くと「大和です」と答えが帰ってきて、出席していた海自関係者全…

そして小鳥のように(『原爆の子(上)』岩波文庫)

このようなおそろしい戦争は大きらいです。どうぞ、日本中の、世界中のみなさま、もう決して戦争をしないで、平和に手をとり合って進みましょう。 そして小鳥のように楽しくくらして行きましょう。 げんしばくだんは、作らない方がよいと思います。 (平田重…

匍匐前進と舌

こどもが匍匐前進をするようになった。 1ヶ月半前に寝返りをするようになって以来、起きているときはほとんどうつ伏せで顔を上げた姿勢で過ごしている。ただ、そこから手足を動かして前進できるようになるまでが長かった。手足を四方にびょんと伸ばしてみた…

犬が死ぬ

犬が死ぬだろうから顔を見に来いと妹からLINEがあった。犬は14歳である。3週間前に家族3人で犬を見に実家に戻ったときは、まだよたよたとソファに登ったり歩き回ったりしていた。わたしがこどもを膝に載せていたら、犬はこどもの足の裏をぺろぺろとなめた。…

しゃがみこむこども

小さなこどもとおかあさんが街中で二人きりでいるのを見ると、すこし胸がきゅううとくるまれるような、不安なような、表現しがたい気持ちをおぼえる。 それは二人で買い物に行くとか保育園の送り迎えのような場面ではあまり感じない。具体的な目的や予定のな…

とにかく「死」が近い

とにかく「死」が近い。間近にある。毎日、どうしようもなくそのことを感じて、考えている。 こどもの首がしっかり座りはじめ、体重が生まれたときの倍以上になってやっと少し安心したのは、これでちょっとは「持つ」だろうということだった。 もしわたしと…

嫡男が突然寝返りました

当家を継ぐはずの嫡男が昨晩、突然寝返りました。しかも実の父であるわたしの眼の前で……。 突然と書きましたが、実のところ以前からその兆候はわずかに現れてもいたようでした。ただ、仮に事を起こすとしてももう少し先ではないかと思っていたのです。正妻に…