しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片を毎日1000字くらいで書く。

時代の実感

麻原彰晃死刑執行の報に触れて、20代前半のひとたちが「地下鉄サリン事件って阪神淡路(大震災)と同じ年やんな」と話していた。いずれも1995年なので、正しい。ところがそのあと「酒鬼薔薇聖斗事件ってその後やったっけ」「いや、前でしょ」という会話をし…

電車止まってから途中休講にしても帰宅困難学生増やすだけやねん

大学(昨日)「暴風警報か特別警報出たら休校やで」 大学(今朝)「暴風警報も特別警報も出てへんし阪急電車動いてるから授業するで」 大学(3限中)「阪急宝塚線止まったから4限以降休講にするわ、学生は気をつけて帰ってな」 いやいや、なんじゃそりゃ。…

俺よりウザいやつに説教されないように説教してやる

俺がいまおまえにウザい説教をするのは、世の中には俺よりもさらにウザい説教をするやつがいるからで、おまえが今後世の中に出てそういうやつに出会ったときに説教されないように、いまあえて俺が説教するんだ、という論理で説教をするひとが一定割合いるの…

メリーポピンズになっている

阪急梅田駅からJR大阪駅へつながる連絡通路の途中に屋外エスカレーターがある。きょうは雨が降っているので、傘を差したままエスカレーターに乗った。傘を差して、エスカレーターに立ってゆっくりと地上に斜めに降りてゆく。あ、これ、『メリーポピンズ』の…

『隠し剣 鬼の爪』終盤の提灯の隠喩

映画『隠し剣鬼の爪』(原作藤沢周平、監督山田洋次、2004年)の終盤に、主人公・片桐(永瀬正敏)の家を、片桐の旧友・狭間の妻が訪れるシーンがある。 片桐は藩に背いた狭間(小澤征悦)を藩命で討たねばならない。その前夜に、狭間の妻(高島礼子)が片桐…

同居者を殺害してしまった。

同居者を殺害してしまった。一瞬迷った。けれども殺意に身を任せた。 この居心地の良い部屋に勝手に乗り込んだ向こうが悪いのだ。 わたしの行為は本当に衝動的だっただろうか。 いま、自問している。 さる筋から先日買い求めた凶器を手にした。 狙いを外さな…

眉間に皺を寄せない

眉間に皺を寄せないこと。 なにかを考えるときも、悩むときも、不機嫌なときも、そうした感情に皮膚をすべて預けないこと。 恐ろしい痛みや悲しみや苦痛の場合には、体のほうが全身で皺を作ろうとしているので、眉間が固まるのもやむをえない。そうした場合…

仮にセネガルが追いついたとしても、西野監督の判断を擁護したかどうか

ポーランド-日本戦の終盤、別会場でセネガルがコロンビアに負けつつあるため、日本は1-0で負けているにも関わらずパス回しをして時間を稼いだ。そして警告数差により決勝トーナメント進出を決めた。 観客からブーイングを受けるけれども、西野監督はあえて…

「世界一のツリー」騒動の続報が出てしまった

昨年12月、神戸のメリケンパークで「世界一のクリスマスツリー」なるイベントが開催された。わたしはこのイベントが阪神大震災の鎮魂を謳うものであることが、端的に意味がわからないと思った。やめてほしいと思った。そのことは書いた。 このとき書いたこと…

サポーターがゴミ拾いするのは現地の雇用を奪ってるんじゃないかというまあよくあるアレ

日本からのサポーターは観戦後にゴミを拾うのでエライという話が出ている。 日本サポーターのゴミ拾いが世界的関心事に…ロイター通信が写真を30枚以上配信 : スポーツ報知 世界から称賛された日本サポのゴミ拾い。吉田麻也「誇らしい」【ロシアW杯】 | フ…

猫の事務所

電車の隣の座席で、女性が少年にずっと小言を言っていた。親子らしかった。仮に母子としておく。ずっとずっと母親が何かをこまごまこまごま言っていた。男の子は、数分に一回、「わかってる」とか「受け止めるよ」とか不機嫌そうに言い返すのだけれど、子供…

謝罪を値切ろうとするひとびと

以前から気になっていたことなのだけれど、世の中には「謝るけど、謝ってない」という態度をとるひとが一定割合いる。 お詫び この度、去る6月15日に行われた衆議院厚生労働委員会において、参考人のご意見の際、私が「いい加減にしろ」といったヤジを飛ばし…

北大阪地震の被災自治体のウェブサイトを比較する

スマホ版ウェブサイトをざっと見てみた。 以下、スクリーンショットをぺたぺた貼ってゆきます。 1. 豊中市(大阪府) 「緊急情報」の欄を臨時に作り、ブルーシートの配布や避難所情報へのリンクを掲載。市長メッセージは要らんだろうとおもう。画面右上に「M…

くじを出す

大阪大学豊中キャンパス構内。午前9時半ごろ行ってみると、校舎や図書館がみな閉鎖になり、行き場所がなくなった学生たちが校舎の周囲にぼんやり座っていた。妙に静かだった。構内のローソンのレジで、何かを買った学生にバイトのお姉さんが「くじ」の箱を差…

「いつからわれわれはこうなってしまったのか」

しばらく砲火を交えた後、意外にも日本軍陣地に白旗が挙った。米兵は重機を前進させておいてから、武器を捨てろと呶鳴った。二、三の小銃、剣、飯盒が投げ出された。しかしその次に弾が来て、五人の米兵が傷ついた。前進した重機が射撃を開始し、十三人の日…

王を讃えてきた

梅田テアトルで上映中の『バーフバリ 王の凱旋』を見てきた。以下、備忘録として、感じたことを箇条書きに。多少ネタバレになってしまうので、未見の臣民は先に映画館で御真影を奉戴されたい。 ・基本は若き英雄バーフバリ殿下の流離譚。なのだけれど、ひと…

『エヴァンゲリオン』と『まどか☆マギカ』を結ぶ作品としての『少女革命ウテナ』

『少女革命ウテナ』(1997)を初めて鑑賞して衝撃を受けている。今更かよ。 以下は単なる印象の範囲を出ないメモ。『ウテナ』は『新世紀エヴァンゲリオン』(1995)と『魔法少女まどか☆マギカ』(2011)のちょうど中間に位置する作品なのではないか、と思わ…

『トトロ』のお父さんのすごいところ

『となりのトトロ』に登場する大人たちの中で、サツキとめいのお父さんはひときわ大切な役割を担っている。このひとは、すごい。 いちばんすごいのは物語終盤の「案外そうかもしれないよ」と笑って、窓際のとうもろこしを手にする場面。 お母さんの病院にお…

彼女だけが聞くことができない。

たとえば90歳のお婆さんが無謀な運転をして、57歳の通行人の女性を死なせてしまう。ほかに数名の怪我人が出る。 事件の直後からさまざまな「ことば」が生み出される。生き延びた怪我人へのインタビュー、亡くなったひとの遺族の声明、加害者の息子の「免許を…

「ズキズキ」と「ずきずき」

授業で擬音語・擬声語と擬態語の区別を扱った。擬音語・擬声語は、「ガシャガシャ」「ワンワン」のように、音や声の様子をことばに表したもの。擬態語は「そわそわ」「うろうろ」のように、ものごとの様子を表すもの。 書き言葉では、擬音語と擬声語はカタカ…

「生活保護は家がある人のものだから帰れ」

私が初めて野宿する人の生活保護の申請に同行して福祉事務所に行ったときのことを少しご紹介しましょう。その方Aさんも初めから生活保護を希望していたわけではありませんでした。60歳になり年金を受給できるようになるが、住所がないので困っていると相談し…

つぶを見つめる

わたしの母には不思議な「科学のセンス」が昔からあった。「科学のセンス」とは何であるか明確に答えることができないのだけれど、情理や倫理とは別の次元で世界をクリアに把握する感覚、とでも仮定義しておく。 このセンスは家族のなかでおそらく母だけが強…

声と傷: 朴璐美様のリテイク

『∀ガンダム』のロラン役、『鋼の錬金術師』のエド役で有名な声優・朴璐美さんのロング・インタビューが非常に面白かったので紹介したい。 いろいろなことが語られているが、いちばん心に残ったのが『鋼の錬金術師』の有名な「君みたいな勘の良いガキは嫌い…

「なろう」系主人公たちを鎧袖一触するキャッチコピー

人様の子どもの税金で(運営される)老人ホームに行くことになる

それが税の根本的な役割だよな。

アメリカで中絶が違法・道徳的悪となった経緯

州によるが、現代アメリカでは人工妊娠中絶に強い制約が課されている。Pro-choice(女性による選択に賛成=中絶の権利に賛成)派と、Pro-life(胎児の生命を守ることに賛成=中絶に反対)派の論争はアメリカ社会を二分するものだというイメージがある。中絶…

籠池夫妻と差し入れの書籍でコミュニケーションを試みるという記事を読んだ

大阪拘置所に接見禁止のまま長期間拘留されている籠池夫妻に対し、差し入れの書籍で間接的にコミュニケーション?をはかっているノンフィクション作家さんの記事。面白い。 大阪拘置所は、夫妻に対する面会や、手紙や写真のやりとりを禁じている。そのため支…

じぶんの身体の大きさがわからない

わかっていないこともないのだけれど、意外とわかってないんだなと最近わかってきた。 わたしはからだが大きい。健康診断で身長測定されると、おおむね177〜8センチぐらいの数字が出てくる。ただし横幅は無い。ススキが本とノートを抱えて歩き回っているよう…

風に否定される哲学者

私は地にたずねてみました。すると地は、「それは私ではない」といいました。地にあるすべてのものが、同じことをうちあけました。海と淵とその中をうごめいている生物にたずねてみました。するとそれらは答えて、「私たちはあなたの神ではない。私たちの上…

ブリュメートロニャンでは笑うときに手を叩かなかった

日本の若者の多くが、笑うときに手を叩く。とくに柏手を打つようにパン、パン、パン、と叩くのは、けっこううるさいのでやめてほしいとおもう。叩いている本人が思っている以上に(あるいは思っているとおりに)響く。地上でパンパン叩く音が6階まで聞こえて…