しずかなアンテナ

哲学の瓦礫片を毎日1000字くらいで書く。

国立国会図書館のデジタル化資料送信サービスを使ってみた

学内に無い論文の複写取り寄せを大学付属図書館に依頼したら、「国立国会図書館デジタル化資料送信サービス」で閲覧できるから取り寄せ依頼はキャンセルさせてもらうねと返信をいただいた。 図書館向けデジタル化資料送信サービス|国立国会図書館―National …

死の直前の苦痛に意味はあるか

わたしが快楽殺人鬼に捕まったとする。かれはわたしを手術台に縛り付け、数時間、わたしを拷問する。そして最大の身体的・精神的苦痛を最後の5分間に与えたのち、わたしを絶命させたとする。 もちろんそんなことは、わたしであれ他の誰であれ、体験しないに…

「聞こえること」の解像度(4) モノノケの声

聞こえること。何かが聞こえてくること。そのことを少しずつ考えている。 昨日の夜、台風の暴風圏が差し掛かっていただろうころに、用事があって大学のキャンパスにいた。吹き付けてくる風に芯があって、建物の壁や樹の隙間を強引に押し通っている。どうどう…

NHKに引っ越しを把握されてたのがすごく気持ち悪い。

陸風のなか、NHKの受信契約をお願いしますという方が来た。 テレビ置いてないんですが、と答えるとすぐに帰ってしまわれた。無駄足を踏ませてしまって申し訳ない気がする。一人暮らしを始めてもう8年になるけれど、ずっとテレビは置いていない。その他の受…

「聞こえること」の解像度(3)意味の広がりとまとまり

聞こえるということを何度か考えなおしてた。 ひとつの音にはひとつの音源がかならず対応する、と以前書いた。 「聞こえること」の解像度 - しずかなアンテナ 「聞こえること」の解像度(2) 音と時間 - しずかなアンテナ ひとつの音源には、それがひとつの…

「聞こえること」の解像度(2) 音と時間

先日、音について考えていた。(「聞こえること」の解像度 - しずかなアンテナ)) ひとつの音にはひとつの音源が対応する、といったことを書いた。けれども、そのあともういちど考えてみると、「ひとつの音」とはなんだろう、ということが意外とわからない…

阪神大震災当日の二階俊博議員の動き

二階俊博衆院議員(現自民党幹事長、当時新進党所属)が、1995年1月17日の阪神大震災発生当日にどのように移動していたか。たまたま当人の手記(二階俊博『日本の危機管理を問う 阪神大震災の現場から』プレジデント社、1995年)をちらっと読んだのだけれど…

犬はカメラ目線ができない

実家では犬(黒ラブラドール、オス)を飼っている。この犬の写真を撮ろうとおもってiPhoneを向ける。すると、直前まではわたしの顔を見ていたのに、ぷいと脇へ目をそらしてしまう。人間なら「カメラ目線」ということをしてくれるが、犬にはそれが難しいらし…

「聞こえること」の解像度

自宅のすぐ近くで新築工事が始まっている。足場を組むための槌音や、ホッチキスの親玉みたいなのを打ち込む道具(あれ、なんて呼ぶんだろう)の作動音が聞こえてくる。涼しくなったので窓を開けていたらトテカントテカンガッガッガッと作業の音が聞こえてく…

ブレーカーを落とす奥さんを殴るプログラマの話

「じぶんがパソコンで複雑な作業をしている最中に、たまたま他の家電を使ってブレーカーを落としてしまった奥さんを殴るプログラマ」の話を読んだことがある。読んだのはたぶん20年近くまえのことだけれど、いまも記憶に残っている。 いったいどういう本だ…

ルウム戦役は描いちゃいけなかったんだよ

THE ORIGIN4部作がAmazon Primeに入っていたので、Iから見始めている。 冒頭、ルウム戦役のシーンが描かれる。ティアンムの先鋒艦隊の艦砲射撃で一方的に叩かれる囮役のムサイ戦隊。次いでレビルの本隊を襲うモビルスーツたち。マゼラン5隻を叩き落とすシ…

エマ・ワトソンが言ったからみんな話を聞いたんだ。

エマ・ワトソンが言ったからみんな話を聞いたんだ。男性が持つジェンダー・ステレオタイプが女性を抑圧するだけでなくて結局男性自身をも苦しめている、という話はたぶん40年か50年近く前からフェミニストが言ってきた話なのだけれど、たいていの男はそ…

人間の腕がシオマネキ風だったら

ひきつづき、左右のこと。 もし人間の腕がシオマネキ風であったら、左右を意味する言葉は別のニュアンスを持っていただろうか。シオマネキはカニの一種で、オスは片方のハサミがとても大きくなる。 たとえば、人間の右腕が男女問わず巨大で、左腕はとても小…

RightとLeftが無い時代

英語では右をRight、左をLeftと言う。ところでRightには「正しい」「まっすぐな」という意味もある。 Rightは古い英語ではrihtやrehtと言い、古フリジア語riuchtや古オランダ語rehtなどと同根であるという。さらに語源をたどると「まっすぐに進む」という意…

下草のアンテナ

道を歩いているとき、風が吹いてきて、それを顔のおもてで感じる。それと同時に、そばの下草や樹の枝葉が揺れているのを見ると、わたしと同じ風によってそれらが揺れているのだと感じる。わたしがわたしなりに知って感じている風を、草や樹はかれらなりの仕…

人生のセーブポイント

さいきん周囲のひとを見ていて、すこし気づいたこと。人間は人生のいくつかの節目で、自分のこれまでの生き方や、どこか引っかかっていたことを整理して、可能なら肯定することが必要なのだなとおもう。 いわば人生のセーブポイントのようなタイミング。これ…

妊婦さんのお腹は勝手に触ってよいというアレ

「私は、機会があれば、妊婦さんのおなかに触らせてもらう。 ゆっくりとてのひらを広げ、奥にいる生命を感じさせてもらう。元気で生まれてきてね。外で待っているからね。世界はそんなに悪いところじゃないよ。怖いことだってあるけど、いい人たちもたくさん…

犬の眠り

犬の眠りは人間に比べて浅いなと思う。本当のところは犬になってみないとわからないけれど、仮にわたしが犬になっても、犬にとっては犬の眠りしか無いので、それが浅いか深いか自分では判断つかないだろう。けっきょくわからないけれど、実家で飼っている犬…

長生きするということ

わたしの祖父の兄はたしか7年前に亡くなったのだけれど、かれは明治45年生まれだった。明治最後の年ということになる。ちょうど100才だった。亡くなる2,3ヶ月前にかれと話していたとき、話の流れのなかで、「あれは震災の前やったか…」と言うのだけ…

英国ホロコースト記念館の「生存者3Dインタラクティブ会話アーカイブ」

英国ホロコースト記念館 The National Holocaust Centre and Museumで、10人のホロコースト生存者の3D映像を記録し、かれらの死後も、インタラクティブ・システムによって、映像が質問者と応答できるようにする、というプロジェクトが進められている。以下の…

79歳でポメラを買う

アマゾンでポメラの新作を見ていたら、「もうすぐ79歳」という人がレビューを投稿していた。 投稿は2016年末。79歳になっても最新のデジタル製品を買うのがスゴイ。それ以上に、物書き専用ツールとして有名なポメラを使いこなすのが素敵だなと思う。何を書い…

認知症のかけら

じぶんは認知症になる才能を持っているな、とごく最近きづいた。才能や素質というのは変な言い方だけれど。 先日、起床してすぐ、朝食の用意を始めた。「フルグラ」と紅茶を作ろうと思った。フルグラ用のお皿を机に置き、台所で電気ケトルに水を入れた。とこ…

ハンセン病療養所入所者への全国アンケートのこと。

雑誌『WEBRONZA』に、ハンセン病療養所入所者へのアンケートという記事が掲載されていた。 この21年間で、全国のハンセン病療養所施設の入所者は約5500名から約1500名へ減少している。この間、4000名が亡くなったということになる。著者は全国の療養所にハガ…

臭いについて

今朝、自宅のトイレの水位が下がっていた。いつもは洋式便器の中に溜まっている水が無くなっていた。原因はわからない。気圧のためか、あるいは下水道工事か。 水位が下がっていることに気づいたのにわずかに遅れて、ひどい悪臭を感じ取った。普段は溜まって…

木を見ることについて

木が風に吹かれているのを不思議な気分で見ることがある。とくに、窓の向こう、ガラスを通して見るとき。 木の枝葉が揺れているので、風が吹いているのだとわかる。けれどその光景はガラスの向こうの視覚に過ぎず、吹いているはずの風はじぶんの肌には触れて…

怒りについて

先日、大学の売店に行ったとき、見知らぬひとが店内で携帯電話を耳に当てていた。わたしがそばを通り過ぎたとき、そのひとは突然電話の相手にむけて怒りを露わにした。 「それは授業の問題でしょう! わたしは被害者なんですよ!」 と、そのひとは言った。そ…

400年生きる深海ザメ

ある種のサメは深海で400年生きる、というニュース記事を読んで衝撃をうけている。全ての個体がそのように長生きなのではなく、捕獲されたある幸運な個体が400歳だった、ということなのだろう。 400年前、日本では徳川家康が江戸に幕府を開き、ヨーロッパで…

「嫌なのです」を聞くということ

嫌なのですと言っている人がいるなら、なぜ嫌なのか、とりあえずじっくり話を聞いてみるのも良いのではないか。聞いて、聞いて、聞き尽くして、相手の思考のさまざまな層をめくっているうち、いつのまにか自分自身の思考の層が開示されてしまい、自分の心理…

死ぬことを考える。

わたしが死ぬとき、それは今のことではなくて、わずかに未来のことである。その未来とは、もしかしたらこのエントリの「公開する」ボタンを押す直前かもしれないし、あるいは数秒後のことかもしれないけれど、とにかく「今」ではない。 未来は、じぶんの体か…

名刺交換直後のプチ雑談ができない

ここ1~2年、うっすらと気づき始めたのだけれど、どうやら初対面のひとと名刺を交換したあと、いただいた名刺の内容を見て、なにか一言ふたこと感想を言い合わなければならない、そういう風習というかマナーというのか、とにかくそういうことになっている…